夏の駐車場 キャリーバッグで捨てられていた子猫、幸せになる
キャリーバッグに入れて、駐車場に猫が捨てられていた。目立つ場所に置けば、誰かが拾ってくれるとでも考えたのだろうか。だが、6月とはいえ、すでに夏。子猫は運良く保護され、命をつなぐことができた。
2018年6月、東大阪市のある駐車場。キャリーバッグに入れられ、親子の猫2匹が捨てられていた。炎天下、もう衣替えをして、冷房を入れる季節だ。猫はバッグの中で暑さに耐えていた。
そのバッグをたまたま猫の個人ボランティアが見つけ、中を確認しようと、バッグの口を開けた。すると途端に母猫は逃げてしまった。残された子猫だけそのボランティアが預かることになった。
一人暮らしをきっかけに
神戸市に住む戸井さんは、小学生の頃から自宅で犬を飼っていた。その犬が2年前に旅立ち、また動物と暮らしたいと思ったが、父親に「猫はだめだ」と言われていた。一人暮らしを始めたのを機に、猫を飼おうと探した。
そんな頃、母の知り合いが「瓜破(うりわり)猫の会」という個人ボランティアから保護猫を譲渡してもらったと聞いた。その時、写真を見せてもらったのが、東大阪の駐車場で保護された子猫だった。トントン拍子に話が進み、9月にトライアルを始まった。生後3、4カ月の子猫に「ルーチェ」と名付けた。
「1日目は物陰に隠れていたのですが、数時間経つと出てきて私のところに来たり、夜寝ていると“遊んで”と猫じゃらしをくわえて来たりしました。ただ、夜鳴きがすごくて睡眠不足になってしまったほど。相手をしないと、ずっと一人で運動会をしていました」
もう1匹引き取る
ルーチェは、かなりの甘えん坊猫。とにかく、“かまって、かまって”と遊びに誘ってきた。しかし、戸井さんも働いているので、ルーチェちゃんが満足するまで遊んであげることは難しく、ルーチェちゃんの遊び相手をしてくれる猫を飼うことにした。ルーチェと一緒に預かりボランティアさん宅で一緒に暮らしていた子猫を譲渡してもらうことにしたという。
ただ、ちょうどその頃、ルーチェちゃんの体調が悪化。極度の貧血や肝機能の低下、黄疸も出てきたという。なかなか供血してくれる猫を見つけるのは難しく、輸血はせずに点滴と薬で治療することになった。動物病院に通いつめ、1ヶ月経った頃にやっと元気になったそうだ。
戸井さんは、11月2日、無事に子猫を迎えることになった。かつて一緒に暮らしてきた2匹。仲良くなるのに時間はかからなかったという。いまでは本当の姉弟のように暮らしている。
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