野良猫から生まれた子猫の兄妹 猫好き夫婦のもとで幸せに

甘えん坊なジェームス
甘えん坊なジェームス

 野良猫から生まれた子猫が大阪の保護団体に持ち込まれた。ある人が野良猫に餌を与えていたら、そのうち子猫が生まれたのだという。子猫のうち2匹は希望者に引き取られた。

(末尾に写真特集があります)

 お腹をすかせていたらかわいそう、餌をやったらおいしそうに食べた……。やせた野良猫を見ると、餌を与えたくなるのは人情かもしれない。しかし、その後のことを考えないと、不幸な子猫を誕生させることになりかねない。不妊・去勢手術をしなければ、野良猫の子はネズミ算式に増えてしまうのだ。

 大阪府の井田さん宅にもらわれた2匹の子猫も、もとは野良猫の子だった。野良猫に餌をやっていたら、気付かぬうちに子猫3匹が生まれてしまい、保護されて保護団体「ARK」(大阪府)にやって来たのだという。その後、母猫も保護され、不妊手術を受けたという。

美人ハチワレのひばり
美人ハチワレのひばり

シェルターで出会う

 井田さん夫妻は2人そろって猫好きで、猫を飼うために今の住まいに引っ越したのだという。「まずは見学だけでも」とARKのシェルターを訪れた。

「生後3カ月くらいの子猫が10匹ほどいたのですが、薄茶色のジェームスが網から手を出してアピールしてきたんです。他の子を押しのけるようにして追いかけてくる様子が可愛くて。白黒のひばりは、ずっと抱っこさせてくれて、カバンのチャックで遊ぶような子でした」

 井田さんはARKのスタッフから、子猫から飼うなら2匹以上がいいとすすめられ、2匹飼うことにした。

至福の時
至福の時

見た目も性格も違う兄妹

 ジェームスくんとひばりちゃんは兄妹だが、見た目も違えば、性格も違っていた。

 ジェームスくんはとても甘えん坊で、井田さんがひばりちゃんをかまっていると、布団にわざとオシッコをするような子だった。逆にひばりちゃんは子猫の頃から大人びていて、ジェームスくんが井田さんたちに“かまって、かまって”と甘えると、そっと譲ってあげるような子だという。

「1匹では淋しいでしょうけど、2匹一緒にいるので、昼間留守にしていても安心です。仕事で疲れて帰ってきても、癒やされます」

 野良猫から生まれた2匹は、元気にすくすく育ち、今は4歳。井田さん宅にはなくてはならない存在になっている。

渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この連載について
幸せになった保護犬、保護猫
愛護団体などに保護された飼い主のいない犬や猫たち。出会いに恵まれ、今では幸せに暮らす元保護犬や元保護猫を取材しました。
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