宅配便配達人に吠える犬 短く吠えてすぐ落ち着くよう訓練
犬にとって、自宅に誰かがやってくるというのは一大事です。テリトリーへの侵入者があれば警戒し、吠えて飼い主に報告するのは犬の正常行動です。実際犬がいると泥棒が家に侵入するのを抑制する効果があるともいわれています。
私の患者さんで3歳の室内飼育の雑種犬が吠えるようになって困っているとおっしゃる方がいらっしゃいました。1週間ほど前から突然玄関の方向に向かって吠え始めたというのです。人が来た様子もなく、物音などもしていないので理由はわからないとのことでした。
とりあえずご近所に迷惑がかからないように対処していただきましたが、その後しばらくしてその方から電話がありました。「先生、原因がわかりました! 泥棒です。犬の散歩に行っている間に泥棒に入られました。それからぴったり吠えるのが治まったので間違いありません。」とおっしゃるのです。また別の方では、庭で飼っている犬の吠え声でお隣から苦情があったそうです。
しかし、最近近所の家に次々に泥棒が入ったのに、その方と苦情があったお隣の家にだけ泥棒が入らなかったことで、今度は感謝されたという方もいました。犬の吠え声が実際に防犯に役立つことも少なくないようです。
宅配便配達人など相手が泥棒ではないことが分かっている時には、短時間で吠え止んでくれるのが理想です。この場合、どこで対応するかによって吠え対策は違ってきます。最も多いのは玄関先などで物品の受け渡しをするパターンです。玄関チャイムへの吠え対策を参考に、玄関に入ってもらう前にクレートに入れるか、リビングなど特定の場所に入れてドアを閉めておくというのが最も簡単な方法です。
逆に人好きの犬は、誰かが家に来ることを喜んで吠えている場合もあります。その場合でも吠え声という問題に関しては前述の対応でも構いません。
しかし相手が犬嫌いな人でなければご挨拶をさせてあげると良いでしょう。その場合は犬にリードをつけておき、「おすわり」などの合図を出して、吠えるのをやめて落ち着いて合図に従ったら、ご挨拶をさせてあげると良いでしょう。このような場合、犬は相手を侵入者として追い返そうとしているのではなく、早く挨拶したくて吠えているのです。ですから落ち着いておすわりをした方が早く挨拶できることを教えましょう。
人が家に来る際に吠えるという問題の予防としては、子犬期から人が家に来た時に「おすわり」などの合図を出して、落ち着いて合図に従ってから撫でたり、おやつを与えてもらったりするなどしておくと良いでしょう。
近隣への配慮と防犯の両方を考えると、短時間吠えて飼い主に知らせ、すぐに落ち着くことができるように教えておくと理想的でしょう。
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