柴犬のルーツ知ってる? 88年前に島根で誕生
いま生きている全ての柴犬(しばいぬ)は、88年前に生まれた1頭のオス犬の血統を受け継いでいる――。柴犬好きの世界では有名な話だそうですが、一般にはあまり知られていないですよね。
ルーツとなったのは、島根県西部の地犬「石州(せきしゅう)犬」で、地元で猟犬として飼われていた「石(いし)」という名の犬。その石を、東京で歯科医院を営んでいた島根県出身の中村鶴吉氏が見いだし、石は東京へ引っ越しました。
石の息子「アカ」と、ひ孫のオス犬「中」は様々な展覧会で「両親の長所と短所とを巧みに補償し合った」など高評価を獲得。子作りのオファーが相次ぎ、子孫を繁栄させました。戦後に流行した感染症にも負けず、石の血統が現在の全ての柴犬に受け継がれました。
石に脚光を当てたのは、島根県在住の河部真弓さん・安男さん夫妻。山陰地方の地犬「山陰柴犬」を飼ったのがきっかけで、石の存在を知りました。「石は島根の地域資源になる」と考え、「石州犬研究室」を設立。日本犬保存会に残る石の血統書を確認し、石や鶴吉氏の生家を特定するなど現在も調査続行中です。石のオリジナル曲を作ったり、地元ケーブルテレビ局で番組を持ったりとPR活動を続けています。
真弓さんは「今の柴犬があるのは、石を東京へ連れて行った鶴吉さんのおかげ。感謝せずにはいられません」と話します。将来は石や鶴吉氏についての映画を制作するのが夢だそうです。
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ファミリーヒストリーならぬ柴犬ヒストリー。ルーツがわずか88年前にいたとは驚き。
(デジタル編集部・石川達也)
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