ブログで見かけた柴犬がトライアル失敗 やっぱり犬を飼いたい!

 一度は「もう犬は引き取らない」と決めていた人が、再び犬を引き取って飼い始めた。そのきっかけは、愛読していた保護犬ブログに書かれていた情報だった。

(末尾に写真特集があります)

 大阪に住む川上さんは2017年、かわいがっていた柴犬ルイくんを亡くして以来、「もう犬は引き取らない」と決めていた。その悲しみがまだ癒えていなかった上、ルイくんを失った後に3匹の猫を飼っていたからだ。

 それでも保護犬ブログ「飯の為なら なんでもするズラ!」(現在は「ゴン太郎先生」)を読むのを楽しみにしていた。

 ある日、そのブログに掲載されていた柴犬の写真が目にとまった。譲渡先を募集しているという。それがランランちゃんだった。気になってランランちゃんの行く末を案じていると、やがてトライアル先が決まったという情報が掲載された。「良かった」と思ったのも束の間、トライアル先でうまくいかず、帰ってきてしまったという。プラスチックなどを噛むことが原因だったそうだ。

猫たちとも仲良し
猫たちとも仲良し

岡山まで会いに行く

 トライアルが不調に終わったことを知ると、川上さんは「犬は引き取らない」と決めていたことを忘れ、ランランちゃんに会いに大阪から岡山まで車を走らせた。思っていた通りの可愛らしさだったという。その後、ランランちゃんを一時預かりしていた人が、大阪の家までランランちゃんを連れてきてくれた。

 自宅に住む3匹の猫とのお見合いも無事完了。いよいよランランちゃんを正式に迎えることになり、獣医師に診てもらうと、犬歯を削られた跡があり、出産経験があることも分かったそうだ。

 おそらく柴犬のブリーダーが手放したと思われる。そのためかランランちゃんは他の柴犬に会うと喜ぶという。

「幸せ」って、顔に書いてあるでしょ
「幸せ」って、顔に書いてあるでしょ

温厚な犬なのになぜ

 ランランちゃんはおとなしく、家に来た当時、鳴くこともなかった。先代犬は分離不安が激しく、ペットホテルに預けても、一日中吠え続けたり、何も食べなかったりしたので、預かってもらえなくなってしまった。一方、ランランちゃんはとても温厚で、落ち着いていた。

 なぜトライアルがうまくいかなかったのか、本当のところは分からないが、川上さんの娘さんは「動物が可愛そうだから引き取るとか、同情心から里親になると失敗すると思います。家族として迎えたいという気持ちが大切なのではないでしょうか」と推測する。

 飼い主のいない動物たちは、たっぷり愛情を注ぎ、家族として共に生きてくれる人を必要としているのだろう。

渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この連載について
幸せになった保護犬、保護猫
愛護団体などに保護された飼い主のいない犬や猫たち。出会いに恵まれ、今では幸せに暮らす元保護犬や元保護猫を取材しました。
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