愛犬と夏の思い出づくり　猛暑の軽井沢でワンコＯＫのカフェへ

　フリーライターという仕事柄、なかなかまとまった休みが取れません。今年も早々に夏休みナシが決定。がっくりしていたら、恨めしげな視線が。

　「毎日退屈だなぁ、どこか行きたいワン」

　愛犬の心の声⁉︎暑いのでお散歩も夜にちょろっと出かけるだけだし、そりゃつまらないよね。

　さて、どうしたものかと思案していたとき、軽井沢での取材が決まりました。友人がクルマを出してくれるというので、思い切って愛犬ぷりぷりを連れて行くことに。仕事と小旅行、一石二鳥の避暑地旅です。

　なんつっても行き先は日本を代表する避暑地。酷暑の東京を脱出し、涼やかな風に吹かれて、ぷりぷりと「あははは～うふふふふ～」と高原を走り……。

　などと妄想しながらウハウハしているうちに、軽井沢に到着。ところが道路の電光掲示板を見ると、「現在の気温33度」。33度ぉ⁉︎ 全然避暑になってないじゃん！ 全国的な猛暑の影響は軽井沢にも。クルマを降りると、湿度が低い分、東京に比べればはるかに過ごしやすいのですが、でも、やっぱ暑い。

　そうこうしているうちに、お目当てのお店に到着。「離山房」という小さなカフェです。

　かつてジョン・レノンとオノ・ヨーコが軽井沢に滞在していたとき通っていたことで知られるお店です。取材のために予約をしていましたが、ワンコ連れできたことをお店の方に告げると、その横の席に案内してくれました。

　テラスはワンコOKとのこと。この日も、コーギーちゃんなどが来ていました。カフェのオーナーさんのおうちにもワンコがいるそうで、ぷりぷりにも「こんにちは」と声をかけながら優しくナデナデしてくれました。ぷりもうれしそう。

　ジョンが愛したという名物のブルーベリージュースをオーダー。甘酸っぱくて冷たくて、乾いたのどと五臓六腑に染み渡る～おいしい～。

　すると、待ち合わせしていた方が到着しました。軽井沢在住の作家・馳星周さんです。この日、インタビューで最新刊『雨降る森の犬』についてのお話を伺いました。

　馳さんは、現在の2頭を含め、これまで５頭のバーニーズ・マウンテン・ドッグと暮らしてきました。軽井沢に移住したのも、愛犬たちが快適に過ごせるように。「もう、すべてがワンコ・ファースト」と馳さんはニッコリ。朝まで飲み歩いていた東京生活から激変、早寝早起き早朝お散歩と、すっかり健康的になったそうです。

　新作への思い、愛犬たちとの思い出などを伺い、取材終了。ここからはバカンスタイム！ といきたかったのですが、実は行きの高速で事故渋滞に巻き込まれ、予定が狂いまくっていました。東京に戻ることを考えると、遅いランチを取るぐらいしか時間がない！

　星野リゾートの「ハルニレテラス」を目指すことに。レストランやショップが並ぶ小さな街になっています。テラス席ならワンコOKとのことで、お蕎麦屋さんへ。

　隣のテーブルにもトイプーさんが。するとその子のお母さんから「変わった犬種ですねー」。ははは……またか。「こう見えて一応トイプードルなんです」と言うと、「え⁉︎ 全然見えない！」。すっかり慣れっこな展開です（笑）。

　ランチの後は、テラスに沿うように流れる川のほとりを散策。清流のおかげで少し涼しくて、ぷりもご機嫌です。ドタバタの強行軍だったけど、いい夏の思い出が作れました。

　馳星周さんのインタビューは、朝日新聞のブックサイト「好書好日」で公開中です。
（https://book.asahi.com/article/11737182）