初めて飼う犬に保護犬を選んだ 米国人の夫「ごく自然なこと」
大阪府に住むアメリカ人の夫と日本人の妻が、初めて犬を飼うことになった。妻は「ペットはペットショップで買うもの」と思っていたが、夫はごく自然に保護犬を選択した。
(末尾に写真特集があります)
ペットは譲渡してもらうもの
妻は子どもの頃からずっと、犬や猫はペットショップで買うのだと思っていたという。ところが、アメリカのボストンで育った夫・フレンチさんの考え方は違っていた。
フレンチさんはほほえみながら淡々と語る。
「アメリカにもペットショップはありますが、両親も姉も、シェルターから保護犬をもらっていたので、私にとっては、それがごく普通の自然なことだったのです」
娘もその考えに賛成した。どのシェルターから譲渡してもらおうかと探した時、保護団体ARK(アーク)のホームページを見つけたのだという。
実際に会い、別の犬に
ARKのホームページには、英語バージョンもある。里親募集中の犬や猫を見られるページで、ある犬がフレンチさんの目にとまった。動画もあり、この犬に会ってみたいと思ったという。
ところが、家族でARKに出かけてみると、お目当ての犬は、抱っこをさせてくれない、ちょっと気難しい犬だった。犬を飼うのが初めてだったため、その犬はあきらめた。そこで職員から勧められたのが、チワワのハッシュくんだった。試しに散歩もさせてくれたが、左側について歩くことができ、落ち着いた性格だった。
「娘にもすぐに懐いて、不安はありませんでした。9歳でしたが、元気ですし、ハッシュを譲渡してもらうことに決めました」
もともと高齢者が母子合わせて4匹飼っていた中の1匹だが、その飼い主が亡くなったため、保護されたのだという。ハッシュくんを引き取って飼い始めたフレンチさんは、それまでも大切に育てられてきたことが伝わってきたそうだ。
「高齢犬なら責任を全うできる」
ハッシュくんは可愛くて性格も良かったが、ARKでは半年間、引き取り手が見つからなかった。9歳と高齢だったことも一因だ。
「ハッシュは違和感なく家族になじんでくれました。生後3カ月のパピーを飼うと、その先は10年、15年と長くて、結構プレッシャーを感じます。でも、シニア犬だったら、責任を持って飼うことができると思いました」
なにはともあれ、初めて犬を飼うフレンチさん一家。ドッグフードはどれがいいかなど、迷うことが多かった。だが、ARKでは「ドッグフードの品質ははとても大切です。動物病院にかからない、病気になりにくい体づくりができます」と、フードの選び方も教えてくれた。腕に通すタイプのハーネスなら犬の負担にならないことなども教えられた。
狂犬病予防や混合ワクチン、フィラリアやノミ・ダニ予防薬の投与のデータも提供され、前の飼い主の接種証明書なども保管されていたという。
ハッシュくんは家に迎えた当初こそ、夜中に吠えることもあったが、すぐに新しい家庭に慣れて落ち着いたという。
今では、ソファなどお気に入りの場所ですやすや眠ったり、家族でハイキングに行ったり、幸せな日々を送っている。
アニマル・レフュージ関西(ARK)
さまざまな理由で保護した犬や猫の心身のケア、社会化トレーニング、里親探しなどを行っています。
住所:〒563-0131 大阪府豊能郡能勢町野間大原595 アニマルレフュージ関西
HP:http://www.arkbark.net/
営業時間:10:00~16:00
Tel:072-737-0712/Fax:072-737-1886
E-mail: ark@arkbark.net
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