本当の飼い主は猫かも…「水丸さん」の里親になって感じたこと
こんにちは〜。
水丸さんコラムは今回が最終回となりました。最後は、猫好きさんに絶対読んでほしい(!)、独断と偏見で選んだ猫に関する本と漫画を勝手にご紹介させてください。
まず一つ目は『猫語の教科書』という小説。1964年、ポール・ギャリコというアメリカ人の小説家によって書かれました。
ある編集者の元に届いた意味不明な文字が並んだ分厚い原稿用紙。文章を解読してみると、そこにはベテラン猫による子猫や野良猫たちに向けた、「人間の家の乗っ取り方」、「人間の飼い慣らし方」についての手ほどきが書かれていた──。というような前書きから始まります。
その手ほどきの内容、かなりオモシロ恐ろしい内容で、人間からすると、ある意味ホラー小説です(笑)。
猫による人間の観察、男女別の特徴、欲しいものを手に入れるためには、家族の誰をどのように動かすとうまくいくか。
また、心をつかむ鳴き方やそのタイミング、魅惑の表情の作り方など、本当に面白く事細かに書かれているのですが、この本を読むといかに私達が猫の思い通りに動かされていたのかを知らされます。
そう、本当の「飼い主」は人間ではなく猫たちだったんです……。
水丸さんがわが家に来る前から、私はこの本が大好きで何度も読んでいましたが、この本の中に書いてある、欲しいものがあったり、してほしい事があるときに効果的に使うと良いとされる、「声を出さないニャーオ」で水丸さんが最初に鳴いた時には、「よ、読んでる!!」と驚き、凍りつきました。
でもその「声を出さないニャーオ」の可愛さと言ったら……!!!!!
というわけで、ものわかりのいい松田、水丸さんに飼われていた事が判明してからは、「かしこまりました、ご主人様!」と従順な日々。
ベランダに出たそうな時はいち早く察知してドアを開けさせていただくし、おなかをさすって欲しそうにひっくり返って見つめてくる時は、外出前だろうがなんだろうが、ササッとすぐに駆けつけて、なでなで。はい! 私は幸せです。
2つ目のお気に入り猫本は、ねこまきさんが描かれた漫画『ねことじいちゃん』。おばあちゃんに先立たれた大吉じいちゃんと、ねこのタマのふたり暮らしの、ほっこりストーリー。絵のタッチが本当に可愛らしく、「猫あるある」満載で、ふたりが暮らす港町の描写もとても懐かしい気持ちにさせてくれます。
でも、大吉っつあんとタマの関係が深く朗らかで優しいからこそ、おばあさんがいない寂しさが沁みて……、切ない!! 松田の個人的「三大涙腺ゆるませ要素」のうちのふたつ、「老人」と「動物」が含まれているので、何度読んでも涙必須です。(ちなみに要素のもうひとつは西田敏行さん)。ぜひこの二冊の猫本、一度読んでいただきたいです。
飼い主(=水丸さん)のお話ですが、彼女は飼い主なりに私のこともちゃんと見ていてくれているような気がします。
気持ちが落ち込んでいるときは何かを察知してか、普段はそこまでそばにいないのに、私にピタッとくっついて、じーっと私の顔を見て、手や顔をなめてくれます(猫の舌はヤスリ並みに痛いけど嬉しい)。この察知能力が本当に鋭い。
言葉の壁を超えたというか、言葉が通じないからこそ? のつながりがあるような気がしてきます。なーんて私が思ってしまっているのも水丸さんの何かのワザなのかしら(怖)。
というわけで、全6回の水丸さんコラム、いかがでしたでしょうか? 私は水丸さんの事やペットの現状をしっかり考えるいい機会になって、あらためて里親になるという素晴らしい経験をして本当によかったなと思います。
sippoの記事を読んでいると、とても素敵な話が盛りだくさんな反面、ペットに関する問題は山積みだなとつくづく考えさせられました。とにかく動物の殺処分が一日も早くこの日本から消えることを願っています。年々減少傾向にあるとはいえ、まだ年間何万匹ものペットたちが殺処分されている現状。「万」ってものすごく恐ろしい数です。殺される命の数だと思うと、とても恐ろしい。
さまざまな要因があるとはいえ、ペットの「里親制度」がまだまだ世に浸透しきれていないのも、大きな一因ではと私は思います。人気の種類の犬や猫で、里親を待っている子は大勢います。ペットを迎えると決めたから“お店へ買いに行く”ではなくて、“里親になる”という流れが、いつかつくられることが願いです。
先日、私が水丸さんの里親になった話をきっかけに、自分も里親になる選択をしてくれた方がいらっしゃいました。それは私にとって、とても心に残る幸せなできごとでした。命がひとつ救えたような気がしました。
里親制度を広げる活動は、地道に少しずつですが、ずっとずっと続けていきたいと思います。水丸さんの近況は、これからも私のInstagramで報告させていただきます! 熱心なフミフミ動画もぜひ見にいらしてくださいませ。
皆さま、最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
松田珠希&水丸
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