写し続けて十数年、レッサーパンダの風太と家族の愛らしい姿
千葉市若葉区の小出尚江(ひさえ)さん(81)は、14年ほど前から近くの市動物公園に週2、3回ずつ通い続けている。デジタル一眼レフカメラを手に園内を歩き、動物たちの姿を毎回300枚ほど撮影。風太とその家族の成長や思い出も数多く写真に収めてきた。
風太はマイペースで、パートナーのチィチィのリンゴを取って食べた日もあった。3年前に12歳で死んだチィチィは「風太を支え、子どもたちにも平等に愛情を注ぐ『良妻賢母』だった」。小出さんは2007年に風太の石像、16年にはチィチィと子ども2頭の計3体の石像を園に寄贈した。
風太とチィチィとの間には5男3女が育ち、孫、ひ孫、やしゃごまでファミリーは40頭以上に。孫娘みい(5歳)はいつも飼育員に抱きつき、リンゴをおねだりする。「物おじしない生まれながらのスターね」。三男クウタ(10歳)は前脚でリンゴをつかんで食べる姿が可愛らしい。「いくつになっても無邪気よ」
風太の家族は繁殖のため全国各地の動物園などに移された。「どう暮らしているか気になる」。年に数回は秋田県や埼玉県の動物園まで足を運ぶ。
夫は7年前に脳梗塞(こうそく)で亡くなり、愛犬のケアンテリア「千子(チコ)」も見送った。「いまは動物公園に通うことが生きがい」。食事に気を配り、毎朝の体操など健康維持に努める。「末永く風太のファミリーや動物たちを見守りたい」
(熊井洋美)
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