猫の爪研ぎで部屋が傷だらけ… 住環境の見直しで防止できる!

ソファーにカバーと払い下げフリース
ソファーにカバーと払い下げフリース

 専用の爪研ぎ器を置いているのに、壁や柱など傷つけてほしくない場所で爪研ぎをしてしまう猫ちゃんは多くいます。この場合、まず“猫にとって”適切な爪研ぎ器を適切な場所に置いているかどうかを検証する必要があります。

 

 

爪研ぎ器のサイズをチェック、安定性も重要

 爪研ぎ器には大きく分けて、箱のような床置き型、丸柱に麻縄などを巻きつけた丸太型、壁やコーナーに貼り付ける型があります。いずれの場合も長さに加えて、猫が乗れるだけの十分な幅があって(20センチ以上目安)、力を入れて引っかいても動かないようにしっかり固定させる必要があります。


 素材も段ボールや麻布、麻縄、綿ロープ、カーペット生地などがあり、形と同様に猫によって好みが異なるので、可能ならいくつか試すといいでしょう。


 爪研ぎにまではならなくても、決まった壁や柱に爪を立てる場合は、なんらかの理由があります。たとえば、猫は起き抜けに背伸びをするもので、寝床から出たところの壁に寄りかかって背伸びをしたりすると、爪が引っかかってついガリッとやってしまうものなのです。こうした場合は、無理にやめさせようとするのではなく、その壁に貼るタイプの爪研ぎを貼ってあげて、猫に満足させながら壁を保護するようにしてあげましょう。

 

 

他の猫の気配を感じてマーキングしていることも

 また、環境によっては自分の存在と縄張りをアピールするために、マーキング的に爪研ぎをすることもあります。野良猫が多いエリアの一軒家や、多頭飼いの家などに多くみられ、窓から他の猫が見えるだけでも爪研ぎやスプレー行為(尿をスプレーのように壁などに吹きかける行為)をすることもあります。


 また、猫は鼻がとても敏感なので、飼い主が外出先で他の猫と遊んで、そのニオイを持ち帰ったりするだけで、爪研ぎにつながってしまうこともあります。


 中には飼い主が家に入る前に着替えるよう推奨する専門家もいるほどですが、さすがにそれは現実的ではないので、足拭きマットを玄関の外に置いて、よく足の裏を拭いたり、大きめの爪研ぎを玄関ホールにも置いてあげるといったことを試してみるのもよいでしょう。

 

猫の通路になる背もたれもカバーで保護
猫の通路になる背もたれもカバーで保護

大好きな飼い主と自分のニオイを混ぜている

 猫は自分のニオイと飼い主(家族)のニオイを混ぜて、それをかぐことで安心します。自分のニオイがたっぷりついたお気に入りの爪研ぎや、お気に入りの場所に飼い主の服のお古を置いてあげたりして、安心させてあげるのもおすすめです。


 飼い主がいつも座っているソファーなど、大好きな人のニオイがたっぷりついている場所や物があると、猫は自分の体をこすりつけたり、爪をひっかけたりしてボロボロにしてしまうことがよくあります。これも自分と飼い主のニオイを混ぜるのが目的で、生態的に仕方のないことです。やめさせることはできないので、ある程度あきらめも必要になります。


 逆に、爪を立てても、ほつれる程度で済むような、頑丈なマルチカバーなどをかぶせるのも良いでしょう。麻や綿で編まれたフロアマットにもなるようなマルチカバーが市販されており、比較的安価で丈夫なものが手に入ります。

 

子猫は爪が引っ込まないのでソファーにカバーは必須
子猫は爪が引っ込まないのでソファーにカバーは必須

◆困る爪研ぎを減らすポイント
1)爪研ぎ器のサイズ、安定性を確認
2)猫の寝床近くは要注意
3)他の猫のニオイを家に持ち込まない
4)猫のお気に入りにはカバーを


(金巻とも子)

 


 

金巻とも子
かねまき・こくぼ空間工房主宰。一級建築士、一級愛玩動物飼養管理士、家庭動物住環境研究家。設計業務のほか、ペットとの快適な暮らしをテーマに住環境コーディネーターとしても活動。著書に『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、『マンションで犬や猫と上手に暮らす』(新日本出版社)、『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)がある。
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