視力を失った愛犬  気づいてあげられず、ごめんね…

目の調子が悪くなって病院通いをしているココ
目の調子が悪くなって病院通いをしているココ

 放送作家の後輩に、かなり重篤な眼の病を患っていた人が二人、いました。二人とも、私より10歳ほど年下の女性だったのですが、彼女たちが異口同音に言っていたのが、「眼の病気の憂鬱さやつらさは、他の病気とは少し異なる」ということ。


 病気が進んでいったとき、お医者様から伝えられることの中に「視力を失ってしまうかもしれません」「失明の危険があります」という説明があるからなのだといいます。


 私が動物病院に連れて行くのを怠っていたせいで、ココは右目の視力を失っていました。正直、全く気付いてあげられませんでした。


 目は少し白っぽくなっていたものの、日常生活の中で、「ココは目が見えにくくなっている」とは、まるで思いませんでした。なぜなら、ゴハンやトイレもフツーだったし、ベッドやソファに飛び乗ったり、飛び降りたりするときも以前と変わらなかったし、家の中で何かにぶつかる…なんてことも一度も見たことがなかったからです。


 私は、おそらく皆さんが想像されているよりも、ずっと家にいます。週に一度、泊まりの仕事がある以外は、海外にもずっと行っていませんし、若い頃のように夜遅くまで出歩くなんてこともしていないのです。


 ピンとは、ピンを連れて地方に泊まりがけで出かけたものですが、ココがやってきてからは、たとえ”ミニチュア“でも、2匹を一人で連れて行くのは、けっこう大変で……、さらに、クルマ移動が大の苦手なハンターがやってきてからは、ハンターがそれほどお留守番が得意ではないこともあって、本当に家にいる時間が増えました。


 だから、ココが少しでも「見えていない」素振りをしたら気付いてあげられたと思うのです。それが、そうはならなかった……。私は心からココに詫びました。


 果たして、獣医眼科専門医の安部勝裕医師がいらっしゃる『安部動物病院』に、右目が真っ赤になってしまったココを連れていきました。


 さすがは眼科専門医だけあって、人間の病院のように機械が充実しているなか、ココはたくさん目の写真を撮影していただき、私も人間ドックで何度かやったことがある眼圧検査などを始め、『赤坂動物病院』ではできなかった新たな検査をたくさんしていただきました。


 検査の所見は、右眼が眼内出血を起こしていて、眼圧は低値。左眼は、水晶体が脱臼していて、眼圧が上昇。視覚は維持されている……というものでした。


『安部動物病院』から『赤坂動物病院』への報告もしていただき、目薬をちょうだいし、ひとまず帰宅。改めて、ココに「ごめんね」と謝りました。


 夫は「本当に見えてないのかなぁ」と、ココの右眼の前でトリートを左右させてみたり、手をかざしてみたりしています……。なんかもう、ほんとに役立たず!(苦笑)でも、そんな夫に対し、短いしっぽを振り続けるココのことが心から愛おしく、もう、それほど長くはない期間、ココのことをいままで以上に大切にしようと心に近いました。


 これも何度か書かせていただいていましたが、溺愛していたピンに比べると、ココには、平常心で接していた私。ピンの闘病中は、ココに我慢を強いることも度々ありました。


 そして保護犬のハンターが来てからは、今度はハンターに時間を割くようになっていた私に対し、「自分を見て」とでも言うかのように、ココは目の病気を進行させていたのでしょうか……。


 それ以来、1日3回の点眼と、お休み前に別の目薬を点眼する日々が始まったのです……。

山田美保子
1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。『踊る!さんま御殿!!』の構成や、『サンデージャポン』『ドデスカ!+』などのコメンテーターを務める。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。

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この連載について
山田美保子の育犬日記
人気放送作家の山田美保子さんが愛犬たちとの日々をつづるブログ。ペット愛好家セレブの御用達グッズなど、芸能界の話題も。
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