伝統もネコも大事にする ギリシャの宝石箱、ナクソス島
ヤーサス!
11回目の今回は、島めぐりシリーズ第3弾、ナクソス島の紹介です。
(末尾に写真特集があります)
実はこの島、私のイチオシの島なのです。
遺跡もクリスタルクリアなビーチもネコも盛りだくさんなホラ(旧市街)、港沿いのおしゃれなカフェ、伝統を大事にしてネコとともに暮らす古い村、笑顔で親身な人々……
それぞれ美しく、「ギリシャらしさ」の要素もバランスよくたっぷり。じっくり見たら1週間の滞在では足りないぐらいです!
船でこの島に着いてすぐ、海を背にして左手に見えるのが、このポルタラ。ポルタラとは“門”のことで、アポロ神殿の門とその周りの基礎・床の部分だけが現存しています。
“もともとは完成していたけれど、残ったのはこの門だけ” なのかと思っていたら、“着工はしたけれど中断した” のだとか。多くの神殿は見晴らしの良い、標高の高い場所にあるのですが、ここは歩いて行きやすいのでぜひ近くまで行ってみてください。
この島のホラは港のすぐ近くにあってアクセスが良く、とてもおしゃれ、そしてネコがたっっっくさんいます! お土産屋さんの飼いネコを始め、人なつこい子が多いように思いました。
前回書いたような、お店まで案内してくれるネコもいましたし、自分からどんどん近寄って来てくれるネコも他の島より多かった印象があります。村はともかく、港に近いショッピングストリートでどのネコも近寄ってくるほど人なつこいのは、少し珍しいことです。住んでいる方々の接し方の影響でしょうか。
この島のホラは少し道が分かりにくいのですが、白い壁のあちこちに道案内の矢印や小さな看板がつけられています。それらに従って旧市街を登っていくと、ヴェネツィアン要塞にたどり着きます。
13世紀前半に築かれたこの要塞、外壁は石の色そのままなので、キクラデス諸島名物のいわゆる「白い壁・色とりどりのドア」の旧市街から突然、堅牢でどっしりした石の建物に行きついた!という感じを受けます。
要塞の内部には、白く塗られている壁と要塞らしさの入り混じった街並み、デザイナーの営むアクセサリーショップやお土産屋さん、景色の良さがウリのカフェなどがあり、港近くとはまた違う雰囲気の街歩きを体験できます。
この写真のネコはすぐ近くのお家の飼いネコで、開けてある勝手口から顔を出した飼い主さんとお話しできました。
「うちのネコなんだけど、そこで日向ぼっこするのがお気に入りなのよ。そこからいつもうちの窓の方を見ていてね、よく目が合うの。黒ネコは不吉だとかそういうこと言うけど、本当は愛情深くて可愛いわよね」と奥さん。
今回、私が泊まったのはパンセオン・ホテル(Pantheon Hotel) で、ナクソス島で最古のホテルです。オーナーの奥様のおばあさまが創業したそうで、「今は僕の番だからね、歴史をつなぐ為に経営しているんだ」と話してくれました。ホラのど真ん中にあるのにもかかわらず宿泊料金はリーズナブル、おもてなしもあたたかで素敵なホテルです。レセプションに行くと従業員さんがギリシャコーヒーや手作りのスイーツを出してくれるし、オーナーと仲良くなると、島の案内はもちろん、小型船を出してきれいなビーチまで連れていってくれることも!! 私はビーチ巡りとバスツアーを勧めて頂き、どちらも満喫できました。
この島の西海岸は、長~~~~く続く美しいビーチが沢山!“ここから8キロは○○ビーチ”などと言われ、ぽかんとしてしまったりします。
先述のホテルのオーナーのおすすめは「泳いで、ちょっと歩いて他のビーチに行ってまた泳いで、疲れたら冷たいコーヒー飲んでまた歩いて、泳いで、ご飯食べて…と、色んなビーチを味わうこと」だそうで。その通り実践してみましたがこれは楽しい!ビーチバーや海沿いのタヴァーンでは、もちろんおねだりネコたちにも会えます。やせ型の子が多めでした。
そしてもう一つオススメしてもらった、バスツアー。夏季は2つルートがあり、私は島の北半分をぐるりと巡れる長いツアーに参加しました。ツアーには英語・イタリア語・ギリシャ語のガイドがあります。
神殿跡、陶器の工房、古い時代から増築され続けてきた教会、伝統的なお酒「キトロン」を作る古い村ハルキ、オリーブオイル工場などなど、ナクソス島の宝石箱のようなツアーです。
車窓からは驚くほどたくさんの家畜が見られますし、ハルキ村や海岸沿いではネコにもたくさん会えます。
有名なサントリーニも一見の価値があるし、ミコノスも観光客向けに整えられて美しい。でも、ナクソスには人の温かみと、動物との共生、歴史の深み、そして素朴なギリシャらしさがたっぷり。ギリシャに行こうかな、という方には、ぜひぜひお薦めしたいです。
それではまた。タレメ・シントマ(また会いましょう)!
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