新作映画に登場する11匹の猫 空想相手がついにリアルに
日活調布撮影所に、新作に登場する11匹の猫ちゃんたちに会いに行く。
WOWOWの連続ドラマ「グーグーだって猫である2」(宮沢りえさん主演)に続いて、そのスタッフたちで、新しい猫映画に取り掛かるのだ。猫担当のアニマルトレーナーは、グーグーの映画版からドラマ版まで10年近くの付き合いになる「市原ぞうの国」の坂本峰照さんだ。
猫の映画といっても、今回は今まで手がけたものと全く違う。猫が登場する多くのシーンは擬人化して表現する。映画版のグーグーでは大後寿々花さんが、亡くなった猫のサバを名演としか言いようのない情感で泣かせてくれた。同様の試みだが、今回は、見た目も性格も年齢もまるで違う猫が11匹という大所帯。
実は猫のキャラに合わせ、猫を演じられるか、もしくは猫に見える人を真剣に探した。オーディションにはプロの俳優だけで600人の応募があり、書類選考を経た300人の面接を敢行。8人が選ばれた。この人たちこそ猫だという人々。そこにメインキャストを足して11人。この猫を演じるスター3人が誰なのかを早く発表したいなあ。今回は、リアル猫たちよりこの方たちと「猫とは何か」ということを追求して過ごす時間の方が長い。
撮影所に着くと、坂本さんが待っていてくれた。スタッフがその車に集まってくる。ワゴン車の後部ドアが開くと、ケージの中に全く個性がかぶらない猫が11匹現れる。壮観だ。スタッフから歓声が上がる。坂本さんが、それぞれの実名と性格を紹介してくれる。その度に、漏れるため息。この日まで、脚本の中にしかいなかった猫たちがリアルに目の前にいる。
スタッフには不思議な興奮が広がった。擬人化したキャラクターを明確にするために、性格やイメージを固める日々を送ってきたので、それぞれの猫に既に勝手な親近感が溢(あふ)れている。みんな自然にスマホを取り出し、撮影会が始まった。
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。