猫を叱るときの「コラッ!」 タイミングと声量で使い分け
「コラッ!」という言葉を、私は猫を飼い始めて、初めて使ったかもしれません。
「ダメ!」とか「メッ!」とか他にも叱る言葉はありますが、素早く大声を出すには、私にとって「コラ」が最も使いやすい言葉でした。昭和のおやじが、悪ガキに「コラ」と言っていましたが、まさか自分がコラおばさんになるとは……。
ちなみに、ネットで「コラ」の由来を調べてみると、「鹿児島弁に由来」「目下の相手のことを“コラ”と呼ぶ」「警官が使っていた」(諸説あり)など様々なサイトで紹介されていました。
「コラ」を多用していたのは、猫たちが我が家に来て間もない子猫のとき。登ってはいけない場所に登った時や、イタズラをしたとき、夜中に大暴れしているときなど、しつけのため頻繁に「コラッ!」と言っていました。
子猫の頃の経験から、猫たちにとって「コラ」は怒られるときに言われる言葉であると、理解できたように思います。
最近は猫たちも“ダメなこと”が分かるようになったし、大人になって少しは落ち着いたので、「コラ」はそれほど使わなくなっていますが、猫はダメと知っていながら、行動を起こすこともあり、「コラ」の出番は週に何度か訪れます。
「コラ」を発するときに大事なことは、タイミングと声量です。
まずは、タイミング。
イタズラをした場合は、必ず現行犯を押さえて「コラ!」と言わなければなりません。後で叱っても、猫は何のことか分からず、大声を出されておびえるだけで、何も良いことは生みません。
かつては、猫がダメなことをしている→ 注意しなきゃ→ 「コラ!」という流れが頭の中にありましたが、次第に猫がダメなことをしていることを見つけたその瞬間に「コラ!」が出るようになりました。
しかも、ダメなことのレベルに合わせて、声量も完璧に調整です。何でも、慣れって大事です。ちなみに、我が家のコラの声量の強弱は以下の通りです。
コラレベル弱:台所のシンクに登る
コラレベル中:食卓に登る
コラレベル強:寝室に入る
コラレベルが弱のときは、声は抑えめです。
例えば、サビ猫あんずは、お風呂場に興味があるので、入っちゃダメと分かっていながら、扉が少し開いていると、ついつい侵入してしまいます。
その場合、風呂場の扉をしっかり閉じない私も悪いので、小さく「コラ~」と声をかけます。すると、あんずは“見つかっちゃった~”的な顔をして、ゆっくり風呂場から出ていきます。
コラレベルが強の場合は、大声かつキレのよい「コラッ!!」が出ます。
我が家で猫が最もやってはいけないことは、寝室への侵入です。理由は、私が猫アレルギーのため、唯一の“聖域”を作っておきたいからです。
“寝室に入ってはいけない”と、猫たちはよく理解しているはずなので、“ダメだと分かっているのにやっている”ことに対しても注意をしているわけです。
主に猫が興奮しているとき、たまたま寝室の扉に隙間があると、無理やり引き戸をこじ開けて入ってしまうのですが、私はその瞬間に腹から声を絞り出すように「コラッ!!!」と叱ります。
すると、ビビりのキジトラ猫モモの場合は、「ヒィィィ~あたし怒られてる~、ころされる~!」みたいな顔をして、プチパニックに陥ります。激しく動揺し、一瞬出口がどこにあるのかを見失って右往左往。扉を大きく開放してやると、すっ飛んで出ていきます。
これでしばらくは、仮に扉が開いていても侵入することはありません。
また、あんずの場合はイタズラ好きの猫のせいか、怒られることに慣れているのか「コラッ!!!」と言われると「やっぱ怒られた~、エヘヘヘ!」といった反応を示します。まるで、サザエさんに叱られたカツオのように懲りません。
こうして長年の「コラ」のコミュニケーションにより、猫と私の間に定番のやりとりが生まれています。もしかしたら、猫たちもビビりながら楽しんでいるのかもしれません。
私も腹から声を出すこともそうないので、たまには「コラ!!!」と言いたい気もしています。イタズラは困りますけれどね。
(ヤスダユキ)
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