警察犬、手袋のにおい手がかりに、水路に落ちた高齢者を発見
行方不明になっていた高齢男性を発見したとして、嘱託警察犬訓練士の北爪俊弘さん(55)=前橋市=と、ジャーマンシェパードの嘱託警察犬、ツェンツイ・フォン・カローラ・コジマ(雌、4歳3カ月)に、群馬県警前橋署から感謝状が贈られた。訓練士歴が36年を超えるという北爪さんは「多くの人に喜んでもらえるよう、これからも一生懸命訓練したい」と話した。
同署によると、4日午後8時半ごろ、同市内に住む男性(79)が、親戚宅を訪れると言って外出したまま行方不明になっていると、届け出があった。出動要請を受けた北爪さんとツェンツイは、男性の手袋のにおいをもとに男性の自宅付近を歩いた。
午後10時半ごろ、ツェンツイがにおいに反応し、北爪さんや署員らが捜索すると、幅、深さともに1メートルほどの水路で仰向けになっている男性が見つかった。男性は足を滑らせて落ちたといい、軽い打撲などのけがをした。水路の脇に草が生い茂っていたため、周囲から見えづらい状況だった。
19日、感謝状を贈った前原哲也署長は「特に夜間の捜索では、人の目で見えないところもあり、警察犬にはいつも救ってもらっている。すばらしい活躍に、私たちもご家族も感謝しています」とねぎらった。
ツェンツイを生後4カ月の頃から自宅で訓練しているという北爪さんは「素直で、現場でもおどおどしない性格。ツェンツイも(感謝状をもらえて)喜んでいると思う」と話した。
同署によると、昨年の警察犬の出動件数は384件で、今年は8月末現在で206件。出動件数の約8割が、高齢者など行方不明者の捜索だという。
(篠原あゆみ)
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