薄毛のトイプードルはキューピッド 家族に迎えた1年後に入籍
Naoさん、Ayaさんのお二人に「けっちゃん、けずちゃん、けずりん、時には「(愛を込めて)ハゲちゃん」と呼ばれて愛されている推定7歳のメスのトイプードル、けずり。けずりという名前は、ミグノン代表の友森玲子さんが、動物愛護センターから引き取った当時に付けた名前だ。
(末尾に写真特集があります)
「引き取られた時はひどい皮膚病で、象の皮膚のように硬くてボロボロだったそうです。皮膚が削れているということでけずりだったのかもしれません。変わった名前ですが、珍しいし、ミグノンでもけずりと呼ばれて愛されていたので、私たちにとっても愛着のある名前です」とAyaさん。
「うちに迎えて1年たちました。来た当初はおなかも黒くて、毛はほとんど生えておらず、少しだけ生えている毛も針金みたいにゴワゴワでした。食事に気を使い、こまめなシャンプーに加えてグリセリンと精製水での保湿やサプリメントなどで、だいぶトイプードルらしくなってきました。それでも散歩ですれ違う人には冬でも『サマーカットですか?』とよく聞かれます」とNaoさんが話してくれた。
Naoさんがミグノンを知ったのは、ミグノンが取り上げられたNHKの番組、「ドキュメント72時間」がきっかけだった。Ayaさんと一緒に出かけた譲渡会で「出会ってしまった」のがけずりだ。「人と一定の距離を置き、ややテンションの低い保護犬が多い中、けずりは猛烈にテンションが高く、最初から人懐っこかったんです。人が大好きで、『なでて』『遊んで』とアピールしてきます」
私が取材に訪れた時にも、玄関先からぴょんぴょん跳ね、前脚を合わせて『お願い、お願い』(←けずりの得意技)と全力だった。
「そんなけずりを初めて迎えたのが、昨年の6月20日。けずりのおかげで私たちの仲は深まりましたし、私たちにとっては大切な記念日となりました。けずりを迎えて1年が経つ今年の6月20日に、入籍しました」とAyaさん。
現在はケージの中でおとなしく留守番できるが、分離不安の強いけずりの留守番は、共働きのNaoさんとAyaさんにとっては、大きな課題だった。「友森さんから聞いて、分離不安が強いことはわかっていました。出かけようとすると吠え、出かけてからもしばらくは吠えていたようです。それでも慣れてもらうしかないので、初めのうちはケージには入れず、自由にさせていたんです」とNaoさん。
「ある日、家に帰ると、部屋のゴミ箱がひっくり返され、ゴミが散乱していました。それだけにとどまらず、ゴミはていねいに小さくかみちぎられ、部屋の隅から隅までびっしりと並べられていたんです。『私を置いて行くと、こうなるのよ』って感じに。仕事から帰った後、泣きそうになりながら片付けました」とAyaさんは振り返る。
二人はライブカメラを設置し、留守番中のけずりの様子をスマートフォンで見られるようにしているそうだが、今ではどちらかが家に帰るまで、ケージに入り、ほとんど寝て過ごしているそうだ。しかし、最近はもう一人、ルームメートが増えた。オスの保護猫「けやり」だ。
Naoさんは「けずりは気が強いので、けやりのことを追い立てたりしていますが、けやりはマイペースで、あまり気にしていないようです。早くもっと仲良くなってくれるといいのですが」と話す。
「いつか猫も飼いたいと思っていました。ミグノンで『けやり』に出会って、名前もけずりと一文字違いで運命かなって。ゆっくり仲良くなってね」とAyaさん。
けずりが引き寄せて結んだ縁や運命は、この先もっと強く確かなものになるはずだ。そしてきっと多くの人や動物を笑顔にしてくれるのだろう。
(新海三太)
<けずりの出身団体>
ミグノンでは、東京都動物愛護相談センターから犬猫、ウサギなどを受け入れ、動物たちが新しい家族と出会えるように毎月第2日曜日と第4土曜日に譲渡会を開催するなど、さまざまなイベントを企画しています。
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-3-5
mail:info@rencontrer-mignon.org
HP: http://rencontrer-mignon.org/
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