追うと逃げる、隠れて出てこない… 来客で猫らしさ全開
前回の続きです。
この連載とは別に、sippoに掲載される記事のために、我が家で2匹の猫を“撮影”することに。先に担当のHさんが到着し、早くもサビ猫あんずと仲良しムード。一方、ビビりのキジトラ猫モモは、どこかに隠れてしまいました。
そして、ライターさん、カメラマンさんらも到着し、総勢4人の女性が我が家の狭いリビングに集いました。
Hさんだけのときは来客に喜んでいたあんずも、“4人の初対面の人々”を前にして、少し戸惑っていました。いつもはニャーニャーとおしゃべり好きなのに、すっかり無口です。
こんなことなら、普段から人を招いて慣れさせておけばよかった。後悔先に立たず……。
「明るいうちに撮影しましょう」
カメラマンさんがプロ仕様の大きなカメラを取り出し、あんずの撮影を始めました。
あんずには、普段のように走ったり遊んだり、甘えたり寝転がったりする姿を見せてほしいところですが、見慣れないカメラにビビっているのか、すっかりおよび腰です。なんとかプロの技術でカワイイ写真を数枚撮れたものの、時間が経つにつれて、おもちゃにも飽きてしまい、キャットタワーの上に避難してしまいました。
“私とあんずの仲良しシーン”を撮るはずが、私が抱っこしてもすぐ“イヤイヤ”と逃げてしまいます。普段なら、暑苦しいほど私の周りをまとわりついているあんずに拒まれてしまい、ちょっと困惑……。
思うように撮影が進まず、みんなであんずを見つめ、みんなであんずに呼びかける……。あんずは人懐っこくて遊び好きの猫なので、撮影にも対応できると思っていたけれど、慣れないことをするのは難しい。やはり猫とは、追えば逃げるし、放っておけば来る。そういう生き物です。
以前、脱衣所の工事のときも知らない人が4人来たけど、あんずが皆さんに興味津々に接していたのは、全員があんずを無視していたからなのでしょう。
今回は、あんずに全員の視線が集中したので、緊張してしまったのかもしれません。何とかご機嫌を直してくれないかと“少しの間、放置”を試みましたが、あんずは“もう閉店だよ~”といった雰囲気で、キャットタワーの最上階でゴロゴロしておりました。
一方のモモですが、1枚も写真が撮れていません。この事態を私は想定していましたが、みなさんは「いつか出てくるかも」と希望を持っていたはずです。早々に諦めるのも申し訳ないので、モモが隠れた部屋を探してみましたが、見つけるどころか、呼吸の音すら聞こえません。
「モモ~。モモちゃ~ん?」
と呼びかけてみても、完全に気配を消しています。6畳間のどこに身を隠しているのか、全く分かりません。その忍びの能力は脱帽ものです。
こうして、4人のうち3人は、モモの姿を一度も見ることができないまま取材が終わりました。
皆さんが帰ると、5分後くらいにそろ~りと出てきたモモ。
「ちょっと、モモちゃん! どこにいたの!?」
そう聞いても、モモは「知ら~ん」とでも言いそうな余裕の表情で、ゴクゴク水を飲んでおりました。
モモは内弁慶だし、あんずは追われるのが嫌いだし、普段感じることのない2匹の猫たちの、これ以上ない猫らしさを感じた1日でした。
(ヤスダユキ)
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