猫が食べてはいけない草ってあるの? 猫草に頼らない毛玉対策
初夏は庭や街路の草花がぐんぐん成長。元気いっぱいですね。春先からお届けしてきた「食べてはいけない草花」シリーズ、最終回は猫編です。犬の場合は「観葉植物の“毒性の有無”を確認し、手の届かないところで管理(特にユリ科!)」が大事、とのことでした。
(末尾に写真特集があります)
では、猫ちゃんはどうか。知人の愛猫家たちは、高確率で自宅にペットプラント(猫草)を置いているようで「結構食べるよ!」なんて話も聞きます。
たとえば、こちらのKさん宅の「まるちゃん」。ペットプラントは口にするものの、観葉植物に興味を示すことは少ないそうです。いい子だなあ……。Kさんは「ただ、新芽を食いちぎっちゃったことはある」とのこと。
クローバー動物病院の蜷川圭一先生によれば、猫は興味を持つ食べ物が限られていて、植物を含めて異物を食べるケースは犬よりもずっと少ないのだそうです。
「それに、健康な猫であれば、外の草などを食べてしまったとしても重篤な状態に陥ることはほぼありません。そもそも猫が草を口にするのは、毛づくろいなどで体内に取り込んでしまった毛玉を吐き戻すというのが主な理由です。また、本能的に胃の状態が悪いと感じている時の吐き戻しもありますし、便秘予防なども一因と考えられています。どちらかというと、おいしいから食べるわけではないというのが一般的な考え方で、これは犬とも共通していますね」
なるほど。猫も腎機能障害の原因物質を持つユリ科植物には近づけないようにすることや、新芽が出ている植物に触れられないようにすることが、大切だそうです。大きく違わないんですね!
では、おさらいもかねて。こんな植物に気をつけましょう!
【食べてはいけない危険な植物】
・ユリ科の植物全般(ユリ、チューリップ、ヒヤシンスなど)
・スイセン
・パンジー
・シクラメン
・アロエ
・アジサイ
・ツツジ ほか
さらに先生が教えてくれたのは、「気軽にペットプラントに頼らないこと」でした。
「まずは毛玉コントロールをしっかりやるというのが大事です。頻繁にブラッシングやトリミングができていれば、毛玉を取り込む量も変わってきますから。ペットプラントを置くことは直接の毛玉ケアではないので、意識してほしいですね。ブラッシングが好きな猫は実際多いですし」
ほほう、そうでしたか。こちらは知人Hさん宅の「グレコちゃん」。ブラシを持ったHさんを見ておめめキラーン★状態。
「ブラシの時間ですよ〜」とHさん。グレコちゃんには、まさに至福のひと時。な~んて、いい表情!
毛づくろいも毛玉を吐くところも、猫を飼っていれば比較的よく目にするシーンですが「いつものこと」「猫の習性」と流さず、もう少し観察してみるとよいそうですよ。また、日頃から獣医さんに相談しておけば「戻しやすい」「胃が弱い」などの特徴を知っておくこともできます。人と同じで、病気の早期発見やケアにもつながるのです。
「かかりつけの動物病院を持つことはやっぱり大事ですね。ブラッシングなども含め、飼い主のライフスタイルやペットとの関わり方はもちろん、ペットの個性を踏まえたアドバイスがもらえますから。特に8歳を超えたら3カ月に一度ぐらい、季節の変わり目などに主治医の先生に全体的に診てもらうのがいいと思います。毎回機械を使った検査をするということではなく、元気な時の様子を共有するだけでも有益な情報になります」
KさんもHさんも、ちゃんとかかりつけの動物病院があって定期的に通っているそうです。身近な獣医さんのアドバイスを受けつつ、ペットと良い関係で暮らしたいですね。皆さんもぜひ、意識してみてください!
(田中美頰)
クローバー動物病院
東京都世田谷区玉川1-17-22-1
http://www.cloverah.com/
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