タクシー運転手の命を救った警察犬ドリル号と市民 警察が表彰状

隈元清人署長(左端)から表彰状を受け取った寺園さん夫妻、福留さん、ドリル号=鹿児島市
隈元清人署長(左端)から表彰状を受け取った寺園さん夫妻、福留さん、ドリル号=鹿児島市

 鹿児島県警の鹿児島南署は23日、鹿児島市で1月7日に客を乗せたまま行方不明になっていたタクシーを発見した同市田上台の建設業寺園忠志さん(75)と、運転手を発見した警察犬らに感謝状を贈った。偶然と警察犬の能力が重なり、危険な状況から幸運にも救出された状況が浮かび上がった。


 表彰されたのは寺園さんと、タクシーから離れた崖下に倒れていた男性運転手(71)を見つけたオスのシェパード「ドリル オブ トーヨーケンネル号」、県警鑑識課警察犬係の福留明光さん(53)。


 同署などによると、寺園さんは1月8日午後2時ごろ、野菜を収穫しようと同市入佐町の畑を訪れたところ、側溝で脱輪していたタクシーを発見。車体に書かれていたタクシー会社に連絡を取った。


 助けを求めてタクシーを離れた運転手の姿がなかったが、現場に着いたドリル号がにおいに反応。崖下を気にするしぐさをしたため捜索したところ、約30メートル下の沢に横たわっていた運転手が見つかったという。


 同署によると、乗客の女性にけがはなく、運転手は低体温症で治療中だが容体は安定しているという。


 寺園さんがこの日に畑へ向かったのは日曜日だったからだといい、「2人とも無事で、本当によかった」と幸運を喜んだ。また、運転手が見つかった沢には水が流れており、福留さんは「寒さもあり、一刻も早く見つけないと危険な状態だった。見つかってよかった」と話した。


(大崎浩義)

朝日新聞
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