愛犬ぷりぷりとの出会い(2) 怒涛の日々の始まり
前回からの続きです。
トイプードルのレッドの女の子をお願いしてからほどなく、メールが届きます。
「うまこさんちに行く子犬ちゃんです!」
画面には、まだ手のひらに収まる小さな子が写っていました。ちょっとタレ目? なんだか笑っているようにも見える。めっちゃカワエエ!
健康チェックをするため、獣医さんのところに来ているというわが子。「名前を決めたら知らせてください。慣れさせるので」と言われ、即、こう答えました。
「ぷりぷり、でお願いします!」
意味はありません。単純に音がかわいいから。でも、ワンコが来たらその名にしようと、ずっとずーっと前から決めていました。
私が心待ちにしていることを察し、獣医さんはぷりぷりの様子をこまめに知らせてくれました。
「とても元気。一緒にいる体の弱い子をなめてあげてますよ」
ぷりぷりは優しい子なんだ……。まだ見ぬわが子に、すっかり誇らしい気分に。
そして1週間後。北関東のある街から獣医さんがぷりぷりを連れて来てくれるとの連絡が。こちらから出向くつもりだったけれど、東京に用事があるついでだから、と。
8月10日。待ち合わせは、ワンコも入れる百貨店の屋上。とにかく暑い日でした。
ドキドキしながら出向くと、獣医さんは笑顔でカゴを差し出してくれました。いよいよ感動のご対面!!
ん……? 気のせいか、写真とちょっと印象が違う。
すると獣医さん、少し気まずそうにこう言いました。
「実は写真を送った子犬、今朝シャンプーしていたら足の指が1本なかったの。最初に飼うには厳しいでしょ? ちょうど同じころに生まれたレッドの女の子がいたので、そちらを連れてきました」
へ? へへ?
じゃあこの子って、写真のぷりぷりじゃないの?
事情がなかなか飲み込めないものの、目の前には、ちっちゃい、本当にちっちゃいトイプーの子犬がカゴの中で横たわっていました。そして、恐る恐る初めての抱っこ。
か、かわいい……。
ただ、私が想像していたコロコロ元気な子犬とはちょっとイメージが違いました。なんかグッタリしてる。
ここ数日、お腹の調子が悪かったとか。なのに猛暑の中、遠路はるばる電車でやってきた。大丈夫なのかな? と少し不安になりながら、大急ぎで家路につきました。
自宅に戻ってからも、ぷりぷり(当初とは違う子だけど、やっぱり決めていたこの名前に)は元気がありません。
渡されたドッグフードをふやかして出しても、まったく口をつけない。鶏のささみなら食べると言われたので、慌てて買いに走って、あげてみても、やっぱり食べない。
あとから考えると、うちに来るはずだったトイプーがなめてあげていたという「体の弱い子」が、きっとぷりぷりだったのだろう、と。
そうこうしているうちに、ぷりが小さい体で踏ん張り始めました。初めてのウンチです。それを片付けようとして顔面蒼白になりました。
血……!?
それから数ヶ月にわたり、怒涛の日々が続くことになるのです。
(つづく)
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