猫が残したものを見つけ、愛おしさに身もだえ 猫飼いのさが

猫が家にいると、そのかわいいしぐさに悶絶する場面が多々ありますが、さらに上級者(?)になると、猫がその場にいなくても、かわいさに身もだえる瞬間もあります。
たとえば、不意に猫の爪が落ちているのを見かけたとき。三日月型でパリパリしていて、古くなった角質のような、薄い膜になった爪が、自然にはがれ落ちていることがあるのですが、猫の一部だと思うと愛おしくてたまりません。
これがもし夫の爪だったりしたら、愛おしいどころか、「こんなところに爪が落ちている!」と、イライラの絶頂に達するのですから、不思議です。
猫の爪を捨てずに、ビンに入れて集めている人がいるというのも、都市伝説ではない気がするほど捨てがたいものがあります。まあ、不意に裸足で踏んでしまうと痛いので、愛おしいと言いつつすぐに捨てますが。
あとは、抜け落ちたひげ。
我が家には2匹の猫がいるので、黒くて根元だけ白い太めのひげの場合、「こっちはサバトラのモモのひげかな?」、真っ黒で細いひげだと「これはサビ柄猫のあんずかな」と、想像するだけで数分楽しめます。(だからどう、ということはありません)
さらに、猫の身体を構成しているものでなくても、楽しめるものがあります。
それは、こたつの中に残された猫のおもちゃ。萌えポイントは、こたつの中、というところで、こたつありきなので、冬限定の楽しみです。
猫のモモは、魚の形をした黄色いフェルトのおもちゃがお気に入りです。中に鈴が入っているので、手でチョイチョイするとチリンチリンと可愛い音が鳴るところが好きなようです。これは、モモを保護していたNPO団体の方にいただいた手作りのおもちゃで、うちに来た時からあるので、かれこれ5年以上使っていてぼろぼろです。
それでも、モモは手でチョイっともてあそんだり、意味なく横に箱座りになっておもちゃの“守り神”になってみたり、とにかく一緒にいる機会が多いのです。他にもおもちゃは色々あるのですが、その黄色いおもちゃを格別に気に入っているため、そのおもちゃのことは「モモのお友達」と呼んでいます。
その“お友達”を、こたつの中を掃除しているとき見かけると、私はかわいさで身もだえてしまうのです。
“お友達”は、もちろん人間がこたつの中に忍ばせているわけではありません。おそらく、モモがこたつの中で寝る前に、口にくわえて持ち込んでいるのでしょう。モモがお友達を連れてこたつに入り、お友達の傍らでスヤスヤ眠る…その姿を想像するだけで、かわいさのあまり身もだえているというわけです。とんだ猫バカっぷりだなと自覚しています。
モモにとっておもちゃのお友達は「ライナスの毛布」ということでしょう。ちなみにライナスの毛布とは、スヌーピーのマンガ「ピーナッツ」に登場する、毛布を手放せないライナスという男の子に由来していて、子どもが特定の人形やおもちゃなどに執着することで安心感を得ている状態のことを言います。
モモは寂しがりやなので、おもちゃと一緒に眠ることで安心感を得ているのでしょう。
とはいえ、モモがお友達をこたつに持ち込んでいるところを目撃したことはないので、全て私の妄想の可能性もあります。
いずれにせよ、自分の家の猫で妄想してほくそ笑むなんて、平和極まりないということです。
(ヤスダユキ)
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