子猫の「社会化」は、生後2カ月ぐらいまでが勝負!
動物が仲良く暮らすためのコミュニケーション能力を身につける過程を社会化と言います。社会化は動物の脳組織の発達期に効果的に行われ、社会化に適した時期を社会化期と呼びます。社会化期は動物種によって異なり、猫では生後2週齢~9週齢頃とされています。
つまり猫の社会性をはぐくむのに適した時期は生後2か月ぐらいまでの、非常に短い期間というわけです。特にこの社会化期に親兄弟とともに過ごすことで、同種動物に対する正常な行動パターンが発達します。きょうだいたちと遊びながら、ほかの猫とうまくつきあうためのコミュニケーション技術を習得します。この時期を過ぎたら社会化が出来ないと言いうわけではありませんが、時間経過とともにどんどんむずかしくなっていきます。
猫は単独で縄張りを持つヤマネコと共通の祖先を持ち、犬は群れで暮らすオオカミと共通の祖先を持つ動物です。そのため猫は犬に比べると社会性は低いと考えられますが、私たちと暮らす猫を見ていると、必ずしも独りぼっちを好むようには見えません。それは犬や猫のように家畜化された動物は、野生動物と違って生涯、子供の心を持ち続けるためです。これを幼形成熟(ネオテニー)と呼び、猫は世話をしてくれる飼い主と生涯にわたって親子のような関係を結びます。どんな動物でも母乳で赤ちゃんを育てる哺乳類は母子間の絆が非常に強く、我々がペットに強い愛情を感じるのもそのような関係性があるからです。
社会化期には同種動物である猫はもちろん、犬などの異種動物とも比較的短期間で仲良くなることができます。猫が他の猫や犬と仲良く遊んでいる姿はとてもほほ笑ましく、見ている私たちまで幸せな気持ちになります。ただし、ほとんどの猫は成長とともに初対面の相手を受け入れにくくなります。単独で縄張りを持つという彼らの祖先種の習性から、大人になって出会った相手は縄張りへの侵入者と受け取るためです。
そのためできるだけ早い時期から一緒に飼育することが、猫が仲良く生活するためのコツとなります。また大人になってから出会った相手とは必ず仲良くなる保証はありませんが、子猫のうちにできるだけ多くの人や猫、そのほかの動物と楽しいふれあいの時間を持つことで、大人になってから出会った相手ともコミュニケーションがとりやすくなります。
社会化期に人と触れ合う機会がなかった野良猫は人に慣れるのに非常に時間がかかりますし、離乳前から人に育てられて他の猫と触れ合う機会がなかった猫は、他の猫を受け入れるようになるのは困難です。子猫の時期から将来一緒に生活することになる動物(人、猫、犬など)と楽しいふれあいの機会を持ち、猫が快適に暮らせる生活環境を与えてあげてください。
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