「大好きな犬と貢献」 警察犬の力引き出す兵庫県警の横野さん
男子中学生が家を出たまま帰宅しない。8月の深夜、家族からの通報で、兵庫県警による捜索が始まった。
開始から2時間。本部鑑識課の警部補、横野雅彦さん(49)が現場にやってきた。そばには相棒のシェパード、エギル(オス、8歳)。においのつきにくいアスファルト道路に苦戦したが、約30分で路上に座り込んでいた生徒を無事に見つけた。
「人や車が少ない時間帯で、エギルが捜索に集中できたことが幸いしました」と振り返る。
神戸市出身。警察官だった父親の姿にあこがれ、自身も同じ道へ。幼い頃から動物好きで、「犬と一緒に過ごしながら地域に貢献できる」と、警察犬係を志した。
成果の一方で、苦い経験も繰り返した。最初に警察犬係になった1993年、山中で行方不明者を捜索していた時、相棒のシェパードが体調を崩した。においをたどれない現場の状況を訴えていたのに、そのサインに気づかず、「捜せ」と命令し続けていた。
「警察犬の力を最大限に引き出すには、『人犬一体』で取り組むことが大切。そのことを教えられました」
通算14年で9頭の警察犬を担当。今は6月末に訓練所にきたシェパードのエルフ(オス、10カ月)ともコンビを組み、現場デビューに向けて訓練を重ねている。「犬たちは自分の子どものような存在でいて、現場にいるときは相棒。これからも最前線で活躍させてあげたい」
(山田暢史)
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