救助犬でも警察犬でも大活躍 ベテランのラブラドルレトリバー
メスのラブラドルレトリバー「華(はな)」は、救助犬歴約8年、嘱託警察犬歴約9年のベテランだ。NPO法人災害救助犬静岡(菊川市)によると、両方に認定されている犬は県内では珍しいという。いま10歳で犬としては高齢だが、「現役」として活動を続けている。
同法人によると、県内で救助犬兼嘱託警察犬として活動するのは、華とオスのシェパード「スマイル」の2匹。スマイルは7歳のため、華の方がキャリアも長い。
警察犬は原臭をもとに足跡などをたどって特定の対象者を捜すが、救助犬は不特定多数の人の浮遊臭をもとに行方不明者らを見つけ出す。捜索方法が異なるため、鼻の使い分けが難しいという。
華は2007年に県警による嘱託警察犬の試験に合格し、約1年3カ月後に同法人独自の救助犬の認定試験にも合格。今年4月の熊本地震の際は現地入りし、土砂の中から行方不明者を見つけることに成功した。今年はまだ嘱託警察犬としての出動依頼はないが、過去には変死体の移動経路などの探索に携わった。
華の飼い主で指導手の清水あけみさん(57)は華の母親の救助犬「さくら」の活動を通じ、行方不明者を捜すのに犬の鼻が役立つことを痛感。華にもさくらと同じような活動をさせてあげたいとの思いで訓練を始めた。警察犬になるつもりはなかったが、華の鼻の良さに気づいた訓練担当の杉山早苗さん(66)の勧めで嘱託警察犬にも挑戦した。
体重は約24キロ、体高は約53センチ。明るい性格でいつもヘラヘラ笑っている。若いころは「怪獣華ちゃん」と親しまれたが、華ももうお年寄り。清水さんは「もう少し長くみんなのお役に立てれば。華には健康でいてほしい」と願いを込めた。
(北川サイラ)
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