毛皮の作られ方、知っていますか？　「ファーフリー」という選択

連日、猛暑が続いていますが、ファッション界はすでに“秋”。
夏のセールが終わった店頭には、秋冬ものが出てきています。秋冬ものの衣類、バッグなどはファー（毛皮）を使ったものも多いですが、ゴージャスでオシャレに見えるファーが、どのように作られているかご存知ですか？
今回は、華やかさとは真逆な毛皮生産の実態をお伝えし、最後に「毛皮を使わない」と宣言したファッションブランドをご紹介します。

毛皮農場の実態

　世界中で、毛皮のために殺されている動物のほとんどが毛皮農場で飼育された動物です。その数はミンクとキツネだけで年間９,５００万頭にものぼります（２０１４年）。

　毛皮農場では、ミンク、キツネ、ウサギ、タヌキ、チンチラといった動物たちが、狭く汚いオリに閉じ込められ、殺されています。

　動物たちは、ストレスや恐怖から精神に異常をきたし、同じ動作を絶え間なく繰り返したり、共食いするなどしてしまいます。

　最期は、窒息させる、首の骨を折る、肛門から感電させる、こん棒で繰り返し殴るなど、毛皮を傷つけないようにするために、残酷な方法で殺され、短い生涯を閉じます。まだ意識がある状態で毛皮をはがされることもあります。

野生動物も犬猫もファーにされている

　世界中で野生動物が捕獲されていますが、特に米国、カナダ、ロシアで多く、毎年、何百万頭ものボブキャット、コヨーテ、キツネ、リンクス（オオヤマネコ）、アライグマ、オオカミといった野生動物も、毛皮をとるために罠にかけられ、壮絶な痛みと苦しみを味わっています。

　鋭い歯が手足に食い込むトラバサミやくくり罠などにかかった動物たちは、何とか逃げようと、自分の手足を食いちぎったりもします。

　動物たちは罠にかかった状態で数日間放置され、その間に衰弱して死に至ったり、罠を確認に来たハンターによって踏み殺されたり、殴り殺されます。

　アザラシも毛皮のために、こん棒で殴り殺されたり、撃ち殺されています。

　カナダでは、この１０年で２００万頭以上殺されました。その９５％が、生後数週間の幼いアザラシです。

　そして、犬や猫もファーにされているのです。

日本は毛皮輸入大国

　日本では、ファー製品が流行し、中国、ミャンマー、イタリアなどの国から、なめした毛皮やファーを使った衣類などの製品が大量に輸入されています。

　２０１５年の輸入量（財務省貿易統計よりJAVAが算出）

　次のファーの数は含まれていないため、上記の輸入量はほんの一部です。

※原毛皮やなめした毛皮の切片などで、上記に含まれていないものが約５０,０００kg分ある。
※衣類や付属品で革や金属等との混合データしかないものは除く。
※靴と時計は毛皮を一部使用したものがあるが、革と混在データしかないため除く。
※鞄については、毛皮を使用した製品のデータはないため除く。

　毛皮のために殺された動物は、コート、バッグ、帽子、アクセサリーなどに加工されて、店頭に並べられます。冬場にはラビットファーのイヤリングなども人気がありますが、それをつけていることは、まさに死んだウサギを耳にぶら下げていることであり、決して素敵な姿ではないということを皆さんに知っていただきたいのです。

あなたにできること＝ファーを買わないこと

「ファッション雑誌で紹介されていたから」「憧れのタレントが着ているから」

　流行に惑わされファーを使った製品を買うことが動物たちの“ファー（毛皮）”と“命”を奪うことになるのです。

　買う人がいる限り、生産は続き、動物たちの犠牲はなくなりません。ファーを買わないでください。これ以上、動物たちを苦しませないために…

FUR FREE（毛皮を扱わない）ブランドで買い物をしよう

　JAVAもメンバーである毛皮に反対する国際連盟Fur Free Alliance（FFA）では、毛皮を扱わないブランドを支援し、消費者に情報を提供しています。

　下記が日本で買える「毛皮を扱わない」と宣言したブランドです。

　HUGO BOSS、アルマーニといった高級ブランドから、H＆M、ZARAといった日本でもおなじみの海外ブランド、そして、日本のブランドまで、４０以上のブランドあります。

　ぜひ、皆さんのショッピングの参考にしてください。

※各ブランドの紹介やURLはJAVAのウェブサイトhttp://www.java-animal.org/fur/ffr/をご覧ください。