ペットとの至福の瞬間 夕日に染まる感動の「おかえりー!」

猫におみやげ(紙袋)
猫におみやげ(紙袋)

 ペットを飼ってよかったと思うことの一つに、“家に帰ったとき「ただいま」と言えること”が挙げられると私は思います。


 そんな「ただいま」の光景で、忘れられない出来事があります。


 高校生の頃、30分かけて田んぼの中や国道を通って自転車通学をしていて、道中、色々な飼い犬を見るのが楽しみの一つでした。


 あと5分で学校に着く、という所にいたのが、工務店か小さな工場を営む家で飼われていたゴールデンレトリバー。


 広めの敷地内を、比較的自由に歩いている様子を朝夕見ていたのですが、ある夕方の光景は、今でも鮮明に思い出されます。


 その家の主らしき男性が、ちょうど帰宅したときに出くわしたのですが……。


 遠くから、ゴールデンレトリバーが男性めがけて走ってきました。


 夕日をバックに、耳や毛が揺れて、ほっぺたや舌もプルプルしている。“この世の最上の喜び!”といった表情で男性に飛びつき、ちぎれんばかりにしっぽを振っていました。


 “おかえりーー!”と、声にこそ出せないけれど、身体全体で表現しているのでしょう。


 もちろん、その男性も、それは嬉しそうに応じていて、相思相愛のめくるめく2人の世界が、北関東の田んぼの中で繰り広げられていました。


 その光景に、一瞬にして目を奪われた私は……。


「う、うらやましい!!!」


 その時ばかりは、私も思わず自転車を止めて、幸せそうな2人をずっと見つめてしまいました。じっと見ているだけでは怪しいJKなので、ルーズソックスを上げたり下げたりカモフラージュをしながら。(余計怪しい)


 しかし、レトリバーと主人は、私などに一切気付くことなく、顔を見合わせながらルンルンで玄関に入っていきました。


 ああ……犬を飼ったら、あんな光景が待っているんだ。友達に彼氏ができたことよりも、数倍うらやましい。


 その光景が頭から離れず、身もだえする日々でしたが、自分が達成できないなら、せめてもう一度この目で見たい! と思っても、主人の帰りに出くわすこともなかなかない。


 では、他の犬で代用しようと、犬を飼っている友人の家へ行っても、あそこまで喜々として迎えてくれる犬はそういない。


 せいぜい、しっぽをパタパタふるか、私がいるせいで吠える犬、寝ていて起きない犬もいました。


 もしかしたら、あのレトリバーは忠犬ハチ公か、南極のタロとジロのような気持ちだったのかもしれない。数年ぶりに主人に会えた喜びだったのかも。だったら、そうそうお目にかかれるものではないんだ……。そう自分に言い聞かせて、思い出の光景を胸に、あそこまで美しい犬と飼い主の関係を見ることはないまま、今に至っています。


 そして私は今、毎日「ただいまー!」と言うことができます。なぜなら、猫が待っているから。猫の場合の「おかえり」の反応はまた次回に。


(ヤスダユキ)

sippo
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