捨て猫赤ちゃんを女性刑事ら警察官が世話、無事に譲渡へ
生まれたばかりで保護された捨て猫の里親がこのほど決まり、2匹が一緒に引き取られることになった。城東警察署(東京都江東区)の署員たちが交代で見守り、女性刑事の家族が世話を続けていた。衰弱しきっていた子猫もすくすく育ち、署員たちは元気な旅立ちを待ち望んでいる。
猫の赤ちゃんが見つかったのは、5月27日午後4時半ごろ。江東区亀戸4丁目の路上の植え込みで、黒と茶の3匹が白いポリ袋の中に入っていた。通りかかった女子中学生が猫の鳴き声に気づき、学校側が署に通報した。
署が保護したとき、3匹は羊水にまみれて目も開かなかった。手のひらほどの小さな体をブルブル震わせ、か細い声で「ミャー、ミャー」と鳴いていた。警務課の倉島寛佳さん(20)は「このままじゃ死んじゃう。何とか助けてあげたいと思った」と振り返る。
倉島さんらはドライヤー2、3台を使い、猫を丁寧に温めた。常備している動物用ミルクをスポイトで少しずつ飲ませると、落ち着いたように震えと鳴き声がやんだ。コピー用紙の空き箱の段ボールに、カイロとタオル、切った毛布を入れて3匹を寝かせた。
翌日以降も世話を続けた。段ボールを受付に置き、3時間おきにミルクをあげた。24時間態勢で3日間、延べ約30人の署員が手伝い、4日目から刑事組織犯罪対策課の高岡歩さん(29)が引き取った。ひとり暮らしのため実家の家族に預け、自らも週1回ほど帰って面倒を見たという。
3匹のうち1匹は死んでしまった。だが今月初め、高岡さんの部署の上司を通じて2匹の里親が決まった。「さみしいけど、2匹にはこれから幸せに育ってほしいです」と高岡さん。もう少し元気になったら、里親の元で育てられる予定だ。
窪田数夫副署長(54)は「今回はたまたま助かったが、動物を捨てることは虐待。飼い主は責任を持って育ててほしい」と話す。
(八角健太)
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