癒やし求めたのに、息詰まる空間 理想の猫カフェって?
都心にあるワンルームの猫カフェに訪れた前回のお話の続きです。
カフェといっても、お茶はナシ。
猫とケージと2人掛けソファ、そして妙齢のおとなしい女性店員さんが、ぎゅうぎゅうに詰まっているこの場所って一体……。
猫らが猫じゃらしに飽き始めてしまい、どうでもいい考え事を始めてしまった私。
ソファ1つだけって、客が2組以上来たらどうするんだろう。かといって、予約するほどの店でもないし……(失礼が過ぎる)
そもそも椅子が増えたところで、この狭い空間における初対面の人同士の緊張感で、猫がストレスを感じるんじゃなかろうか。
この猫カフェのウリって、何なんだろう……。そもそも、猫カフェってどうあるべきなのかな。
そんなことを考えていると、久々に店員さんがしゃべりました。
店員「(猫用)おやつ、どうぞ」
私「あ…はい。ありがとうございます」
おやつをもらうと、においを嗅ぎつけた猫がやってきました。
しかし、一番大きな猫と幼猫ばかり食べていて、他の猫は興味を示しません。
店員「いつも、この2匹が食べちゃうんですよね」
私「結局、そうなっちゃいますよね」
えさを食う猫「(もぐもぐ)」
眠り猫「(スヤスヤ)」
毛繕いする猫「(ペロペロ)」
店員さん「……」
……。
だめだ、息が詰まる!
まるで友達の家で、友達のお母さんの知り合いの人と2人っきりにされた、みたいなこの息詰まる状況、もう無理だー!
会社の昼休みに癒やされに来たっつーのに、気を遣ってばかりで何をしてんだか。(本来は会社の昼休みにやることではありません)
とりあえず写真をぱぱっと数枚取り、30分ごとに料金が上がるということでしたが、20分ほどでお店を後にしました。
そして、この段階でようやく分かった気がします。私は猫カフェでどう過ごしたいのか、どんな猫カフェを求めているのかを。
無理に猫と遊ばなくたっていい。おやつで猫をつる必要もない。
ただ、猫を眺めたいんです。
できれば、港のそばにカフェがあればいい。
窓から見える港の野良猫たちはひなたぼっこ。
漁師さんが、売れない雑魚を数匹持ってやってきます。
そこに群がる猫たちみんなで、わぁわぁ、お食事タイム。
気が弱くて食べられない猫には、個別に魚をあげる優しい漁師さん。
食べ終わったら、毛繕いして、それぞれ好きな場所で眠る。
そんな人と猫とが自然に交流しつつ、猫は野良として悠々暮らしていけるような環境を、ただ眺めたいんです。ある意味、猫カフェ以上に贅沢ですが。
そもそも私は猫飼いのくせに、猫の遊ばせ方が下手なので、初対面の猫と遊ぶこと自体、ハードルが高いし、人前で遊ぶのも何となく気恥ずかしいというのもあるのですけどね。
もちろん、猫との関わり方は人それぞれ。
もし猫を飼っていなければ、なんだかんだ言って猫カフェに通いつめていると思います。
(ヤスダユキ)
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