猫も人も見た目がすべて? いいえ、違います!

誰にでも人懐っこいサビ柄猫さん
誰にでも人懐っこいサビ柄猫さん

 猫の譲渡会に参加して、ものの10分。夫が2匹の猫を抱っこしたところで、「この2匹をもらおうか?」と早すぎる決断を迫ってきました。

 もうちょっと考えさせてはくれまいか……。時間をくれよ……。あんたはいいけど、私はまだ猫に触っていないんだってば。

 しかし夫は、服を買いに行っても即決で10分とお店にいないタイプ。喫茶店に入っても、お茶を飲んだらすぐに帰りたくなるのです。合理的とも言えるけど……。それを、私はよく分かっているんだから、一緒に譲渡会に来たら、こうなることは分かっていたハズじゃないか……。でも、これから一緒に住む猫なんだから、もうちょっとじっくり考えてもいいんじゃない……。

「うーん…」と、言葉を詰まらせていると、NPOのスタッフの方が言いました。

「あの~今抱っこされている椿(つばき)ちゃんは、ちょっと元気すぎるので、さっき抱っこされていた大人しいよもぎちゃんを攻撃してしまうかもしれないんです。みんな一緒なら大丈夫ですが、この2匹だけになると…」

「この2匹だと、組み合わせが良くないんですかね?」と夫。

「そうですね…おそらく。どちらの子が気に入りましたか?」

 夫は、三毛猫の椿ちゃんとサバトラ柄のよもぎちゃんを見比べて言いました。「よもぎちゃんかなあ」

「じゃあ、椿ちゃんの別のきょうだいはどうですか? こっちの子はおすすめですよ~」と、ケージの中から椿ちゃんの姉妹のサビ柄の猫を出しました。

「蘭(らん)ちゃんです。この子も元気いっぱいですが、優しい子ですよ」

 勧められるまま、夫は椿ちゃんをケージに戻し、蘭ちゃんを抱っこ。

「にゃぁぁ~」と夫の腕の中で甘え声を出し、早くもゴロゴロし始める蘭ちゃん。

「おぉ!なんだこの子、めっちゃ人懐っこい」と、顔をほころばせる夫。

 いいね、君たち。ほのぼのしてて。

「人も大好きだし、この子なら他の猫を攻撃する心配もないと思います」

 NPOの方がそう勧めてくれるけど、サビ柄の猫かぁ……と、その時は若干がっかりしました。だって、猫を見たことしかないから、見た目がすべてだったのです。人間に関してもそうですが、見た目でがっかりするなんて、良くない。分かっているんですよ。人も猫も、見た目がすべてではもちろんありません!

 誰に向けての主張なのかよく分からないまま、次回に続きます。

(ヤスダユキ)


sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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