犬で人が育つ 犬と歩けば健康に?

犬の散歩と人の健康について考えたことはありますか? 犬を散歩することは当たり前だと思う方が多いかと思いますが、その当たり前なことが、人の健康に良いことが証明されています。
アメリカのミズーリ大学で2007年から始まったプログラムではシェルターの犬の散歩をして、人が健康的に減量できて、さらに犬の健康状態もよくなり、コミュニケーションがとれるようになって譲渡率が高まったという、人にも犬にもよいプログラムの報告があります。犬の散歩で、新しい家族が見つかる可能性が高まるというのは、犬の散歩を真剣に考える必要もあるかもしれませんね。
日本では、犬の散歩をすることで、高齢者のストレスや興奮状態が改善されたという報告が出ています(Motooka他、2006)犬がいると、世話をするのは自分だという責任もあるので、外に出かけるきっかけになります。犬との散歩によって、他の人と交流する場にもなり、会話をしたりすることでストレスの改善などにつながるのでしょう。
しかし、犬の散歩をするにも、愛犬が他の犬に吠える、引っ張りが強い等がみられる場合は、他の飼い主と会話をするどころではなくなってしまいます。問題行動の改善や犬のしつけ、子犬の時期からの社会化が大切で、犬も人も余裕をもって散歩することが健康維持につながるのでしょう。
筆者
鹿野 都(かの・みやこ)
博士(学術)、麻布大学共同研究員、動物介在教育マスター・エデュケーター。相模原市を中心に犬のしつけ方指導をしているスタディ・ドッグ・スクールのスタッフとして、子どもたちを対象とした犬を介在させた教育活動を実施する「犬と一緒に教育支援プロジェクト」を進め、教育支援犬の育成のため飼い主指導を行い、小学校での犬と一緒の授業(動物介在教育)を展開している。
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