取り組みに理解広がる 保護犬「譲渡会」って、どんなところ?
捨てられて行き場を失った犬たちを動物愛護団体などが保護し、里親を探す「譲渡会」が注目されている。
昨年12月、神奈川県鎌倉市の鎌倉海浜公園で譲渡会が開催され、約100人の里親候補が参加した。新しい家族との出会いを求めて集まった保護犬約30頭は、ほとんどが1歳以上の成犬だ。
50代の女性は「子犬を飼うのは体力的に厳しいので穏やかな性格の成犬を希望します」と話した。主催のボランティア団体「ちばわん」の渋谷美奈子さんによると、「成犬の中でも7歳以上のシニア犬は特に落ち着いていて、のんびり一緒に暮らせます」。性格や相性を確かめた上で選べるのも譲渡会の魅力という。
来場者はスタッフに飼い方のアドバイスを受けるなど終始なごやかな雰囲気で、約1割の保護犬とのマッチングが成立した。正式に里親となるには、譲渡条件に合意するほか、ワクチンや不妊去勢手術などを含む約3万円の負担金が必要だ。
ちばわんは、毎年数万頭にのぼる犬の殺処分をなくそうと、2005年から保健所や動物愛護センターなどに持ち込まれた犬を保護し里親探しに取り組んできた。
このような活動を犬を飼いたい人はどう捉えているのか。不動産サイトを運営するオウチーノ(東京都港区)が20~49歳の男女324人を対象に「ペット(犬)に関する意識調査」実施した。すると、譲渡会の認知度は75%と高く、「里親になることを検討できる」と答えた人は9割以上にのぼった。だが、犬を飼っている人に対し「どこで購入したか?」と質問したところ、半数以上の57.5%が「ペットショップ」と回答。譲渡会の取り組みは理解できるものの、実際に飼うとなると大半がペットショップを利用するのが現実のようだ。
譲渡会についての問い合わせは、ちばわんホームページ(http://chibawan.net/)まで。
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