EUで完全禁止から2年 日本でも動物実験をやめる化粧品企業が
2013年3月11日、世界最大規模の市場を持つEUで、化粧品の動物実験が完全に禁止になりました。それから2年2カ月が経過しましたが、日本でも動物実験を廃止し、その事実を公表する大手化粧品メーカーが増えてきています。
10年前には大手企業のほぼ全社が動物実験を行い、その事実をひた隠しにしていた日本の化粧品業界ですが、「美しさのために動物を犠牲にしないで」という消費者の声を受けて、脱・動物実験へのシフトが始まっています。
JAVAでは2009年以来、国内の主な化粧品メーカーに対して動物実験をやめるよう働きかけてきましたが、近年の各社の対応状況についてコーポレートサイトなどから判明した内容を以下に記します。なお、企業名に続く対応状況は各社のウエブサイトからの引用、< >内はJAVAの調査によるものです。
■株式会社資生堂
資生堂は、代替法に基づく安全性保証体系を確立し、これにより2013年4月から開発に着手する化粧品・医薬部外品における動物実験を廃止しました。なお、社会に対して安全性の説明をする必要が生じた場合を除きます。
今後も引き続き有効な代替法の開発を継続するとともに、代替法の公定化(各国・地域の法制度において正式な実験方法として認可されること)に向けて積極的かつ強力に各国の行政機関に働きかけてまいります。
<2010年3月、「2013年の廃止をめざしているEU化粧品指令に合わせ、動物実験の廃止を推進する」との方針をウェブサイトで発表。以後、JAVA等動物保護団体を含むステークホルダーとの円卓会議を重ねながら、2011年3月に自社における動物実験を廃止、2013年2月28日の役員会で、外部委託も含めた上記の動物実験廃止方針を決定>
■株式会社マンダム
マンダムは、動物実験を行わない方針で、化粧品開発を進めています。
マンダムは、生活者の安全の確保を第一に考えて商品を開発しております。製品等の安全性確認は基本的にヒトを用いた試験(パッチテスト、スティンギングテスト等)および動物実験代替法を活用しており、外注委託を含めて動物実験は実施しておりません。今後も動物実験を行わない方針です。
これからもステークホルダーの皆様の貴重なご意見を参考にさせていただき、安全で環境にやさしい商品開発を進めてまいります。
<2008年から日本動物実験代替法学会を通じて動物を犠牲にしない代替法の開発研究に年額250万円の助成金を出してきた実績があるほか、消費者に対して「数年にわたって国内では動物実験の実施も委託もしていない」という「事実上ゼロ」の状態を続けていると回答していたところ、2013年3月8日に「今後も行わない」との方針をウェブサイトで公表>
■株式会社コーセー
コーセーグループは、安全性を最優先としながら、動物実験を行わない方針で化粧品(医薬部外品を含む)の開発を進めています。
コーセーグループは、これまでの化粧品開発の実績により蓄積してきた膨大な安全性データを活用するとともに、代替試験法やヒトによる各種試験によって、独自の基準で化粧品の安全性確保を行っています。外部委託を含めて動物実験を行わない方針で、今後も引き続き化粧品開発をおこなっていきます。
※万一、社会に対して安全性の説明責任が生じた場合や、一部の国において行政から求められた場合を除きます。
コーセーは、動物実験の廃止はグローバル社会の重要な要請事項と受け止め、早期の実現を願って、1990年代から動物実験代替法の開発に取り組んできました。代替法学会に継続的な協賛を行うとともに、業界や産学官と連携しての取り組みに積極的に参画し、代替法の普及と進展のために、なお一層の努力をしてまいります。
<2014年9月10日にJAVA等動物保護団体と面会時に「2011年上期より廃止しており、今後も行わない」ことを確認、同月末、上記方針をウェブサイトで公表>
■株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
ポーラ・オルビスグループは、化粧品(医薬部外品を含む)の研究・開発において、代替法技術の確立に伴い外部委託を含めて動物実験を行わない方針です(*)。
(*)万一、社会に対して安全性の説明責任が生じた場合や、一部の国において行政から求められた場合を除きます。
<2014年12月26日にJAVA等動物保護団体と面会時に「2015年1月から開発に着手する化粧品・医薬部外品について、グループ全体で動物実験を廃止する」旨確認、同月中に上記方針をウェブサイトで公表>
■日本メナード化粧品株式会社
メナードでは、2009年3月9日以降、化粧品・医薬部外品開発において動物実験を実施しておりません。
今後も、代替試験法やヒトによる各種試験等によって、安全・安心を最優先としながら、動物実験を行わない方針で化粧品・医薬部外品開発を進めてまいります。
※万一、社会に対して、安全性の説明責任が生じた場合や、一部の国において、行政から求められた場合を除きます。
<2013年5月、JAVAが行った調査に対して「2009年3月9日をもって動物実験を廃止した」と回答。2015年4月1日、上記方針をウェブサイトで公表。同月21日にはグループ会社の株式会社ダリヤも「動物実験を行わない方針」をウェブサイトで公表>
■株式会社ノエビアホールディングス
ノエビアグループは、化粧品・医薬部外品の研究開発において、代替法の開発に努め、外部委託を含めて動物実験を行わない方針で今後も化粧品開発を行っていきます。
※万一、社会に対して安全性の説明責任が生じた場合や、一部の国において行政から求められた場合を除きます。
<2013年4月、JAVAが行った調査に対して、「化粧品および医薬部外品、台所用洗剤の安全性・有効性に関わる試験において、培養細胞などの動物実験代替試験法を用い、動物実験は行わない」と回答。2015年3月、上記方針をウェブサイトで公表>
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