自転車で、犬の散歩をすると罰金?

 さて、少しカタい法律の話でスタートしたこの連載。タイトルの「ペ弁」って何だ?と思われた方のために、ちょっと説明します。

「ペ弁」とは、「ペット関連事件を取り扱う弁護士」を略しただけの造語です。ペットや動物に関するトラブルは、弁護士にとって非常にマイナーな分野で、手がけている人は全国的に見てもほとんどいないと思われます。そんな状況で、ペットのための弁護士という存在を広く皆さんに知っていただくため、なじみやすい(?)キャッチフレーズとして「ペ弁」を使いながら活動していきたいと思っています。目指すは、さかなクン!

 

 閉話休題……。

 

 散歩が心地良い季節になりました。犬を飼っている皆さんは毎日愛犬のお散歩をしているでしょうが、「自転車で犬を連れて走ったら気持ちいいかも~」なんて思ったことはありませんか?

 でも、ちょっと待ってください。実は、地域によっては法律に違反している可能性があります。

 道路の交通安全に関する「道路交通法」では、運転者が守るべき事項を各地の公安委員会が定めることができるとしており、「道路交通規則」が定められています。そして2008年以降、自転車の運転マナーが問題視されるようになり、東京都をはじめとする各公安委員会の道路交通規則が改正されました。この改正により、「物を持つなど安定を失うおそれのある自転車の運転」が禁止されるようになったのです。

 携帯電話を持ったり、傘をさしたりといった行為とともに、「犬とつないだリードを持つこと」も自転車運転の安定を失うおそれがあると判断されます。違反した場合には5万円以下の罰金刑が定められていますので、自転車で犬を散歩させたことで、前科がつく可能性もあります。

 もちろん、法律違反というだけでなく、犬や飼い主自身も危ないです。

 それに、人に衝突してケガをさせてしまった場合、治療費や慰謝料などの損害を賠償しなければなりません。自転車事故に対応している保険に入っていれば、これらの損害賠償金は保険会社が払ってくれるでしょう。でも保険によっては、保険会社が示談交渉の代行をしてくれないこともありますし、そもそも、お金ですむ問題とはいえません。

 法律を守るという意味でも、それ以前に愛犬家としての常識としても、自転車で犬を散歩することはやめましょう。

2001年弁護士登録(兵庫県弁護士会)。民事・家事事件全般を取り扱いながら、ペットに関する事件や動物虐待事件を手がける。動物愛護管理法に関する講演やセミナー講師も多数。ペットの法と政策研究会代表、ペット法学会会員。

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