愛犬「ハンター」が旅立ち3カ月 優しくて頼もしい元保護犬「マル」の存在
「ハンター」が虹の橋を渡っていってから早3カ月余り。我が家で唯一の男の子だったハンターのために柱にまでトイレシートを貼っていたことも、断尾していなかったハンターの長い尻尾がたてるビュンビュンと聞こえるぐらいの音を聞くことも、帰宅した際、玄関に飛び出てくるハンターの姿も……我が家から、なくなりました。
そして、この3カ月は、「動物医療センター赤坂」の西田純平院長をはじめ多くの方から「ココちゃんやマルちゃんの様子はどうですか?」「何か変わりましたか?」と聞いていただきました。
マルに変化
ハンターが旅立った直後は声をあげて泣いている私に「マル」が寄り添ってくれたり、寝室のベッドの私と夫の枕の間に置いてあるハンターが最期に着ていた洋服を「ココ」やマルが長時間クンクンしていたり……と、ハンターがずっと私たちの近くにいてくれている雰囲気満載だった3カ月。私が尋常ではない泣き声をあげる頻度は少なくなってきましたが、ココとマルがハンターを“感じている”ことは全く変わりがないように思います。
そんな中、大きく変わったのはマルが私に寄り添ったり、甘えたりする回数が劇的に増えたことです。
元保護犬のマル
ブリーダー崩壊から『Wonderful Dogs』さんに保護していただいたマルは、代表の岩渕友紀さんいわく「母性がすごい」とのことでした。推定6歳になるまで何匹産まされていたのかはわかりません。いまもマルの乳首はすごく大きくて、たくさんおっぱいをあげていたのだと思います。
迎えた当初、ケージの中で脚を踏ん張ることが多かったのかマルの足指は他の犬より広がっていて、右の後ろ脚の筋肉は衰えていて、とにかくひたすらご飯を食べさせられていたようで、いまより3㎏以上も太っていました。そして我慢強く、ちょっとやそっとの痛みでは声もあげないという特徴は今も続いています。
そんなマルは、ハンターにもすごく優しく、いつもハンターに寄り添ってくれていました。体温がハンターより少し高かったマルの背中の上でお昼寝するのが大好きだったハンター。思えば、ハンターとマルが喧嘩(けんか)しているところは一度も見たことがありませんでした。
優しさの向かう先
そのマルの優しさが、いまはすべて私に注がれています。私が原稿を書いているときは、仕事部屋にスーッとやってきて足元のベッドでおとなしく寝てくれています。
夜、寝るときにも、ベッドでまずはハンターのお洋服の匂いをクンクン嗅ぎ、その後、上手に布団の中に入っていきます(ハンターは、それが下手でした)。
我が家は玄関にも愛犬たちの居場所があるのですが、私が外出しているとき、マルはいつもそこで待っていてくれるようで、玄関の扉を開けた途端、そこからピューッと飛び降り、出迎えてくれます。そうした姿はまるで、「私に任せて!」と言っているようです。
犬はわかっている
昨日はココとマルを「動物医療センター赤坂」に連れて行き、血液検査やフィラリアの検査、爪切りなどをしていただいたのですが、目が見えないことで他人に身体を触られることを異常に警戒し、爪切りも大嫌いで、病院中に響くような叫び声をあげ続けるココに反して、「マルちゃんは本当におとなしいですね」「いい子にしてくれていました」とケアスタッフの皆さんが絶賛してくださるほど、マルは強かったのでした。
日曜日なので夕方の動物病院は混雑していましたが、他のワンちゃんが吠えても吠え返すこともなく、小さな体で中型犬や大型犬を静かに見つめるマルの存在感は、それはそれは大きなものでした。
犬が「なんでもわかっている」のだとしたら、いまのマルは私の喪失感を埋めるため、懸命に私を癒やし、寄り添ってくれているのだと心から思います。マル、我が家に来てくれて本当にありがとう、と改めて思う日々です。
(次回は5月14日公開予定です)
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