犬たちが大活躍！　年末年始に見たい劇場公開最新作＆配信作品の犬映画おすすめ３選

　忙しかった師走の日常がようやく落ち着く年末年始、遠出の予定を入れている人も多いのでは。そうではなく、近場やお家でオフの日を楽しく過ごしたいのであれば、犬たちの活躍に心温まる最新の犬映画やネット配信映画を楽しんでみませんか？

愛犬の譲渡先探しの旅に兄弟が大奮闘

　１本目は、１月２日（火）に劇場公開される韓国発のハートフルな映画『マイ・ハート・パピー』です。メガホンをとったのは、本国で驚異的な大ヒットを記録した痛快アクション映画『ミッドナイト・ランナー』(17)のキム・ジュファン監督。本作は、犬と人間のかけがえのない絆をコミカルかつハートフルに描いていきます。

　ゴールデンレトリバーの愛犬「ルーニー」をまるで弟のように可愛がっているミンス(ユ・ヨンソク)。ところがプロポーズした彼女が、ペットアレルギーで薬を飲んでいたことを知り大ショック。彼女と結婚すれば、ルーニーと一緒に暮らせなくなるということで、ミンスは新たな飼い主探しをする決意をします。愛犬家にとってはなんとも切ない展開ですよね。

　冒頭のほうで、実にクレバーなルーニーとミンスがスキンシップをとる姿にほっこり。ルーニーの可愛さにメロメロになってしまう分、ミンスが愛犬と別れるつらさが伝わってきます。ミンスはその後、飼い主候補となる人たちを次から次へと面談していきますが、相手は問題ありな人たちばかり（苦笑）。

　結局、近場では見つからず、経営していたカフェがつぶれ、金欠となった従兄弟のジングク（従兄弟）とともに、ルーニーの譲渡先探しの旅に出ます。ところが２人は旅の先々で、行き場のない子犬たちに遭遇。自分たちを見つめる無垢（むく）な瞳に次から次へとノックアウトされていき、仕方がなく子犬たちを車に乗せていくことに。

　劇中では子犬や成犬など、バラエティーあふれる犬たちがわんさか登場するので、愛犬家たちは心をわしづかみされそう。ミンスたちは譲渡先を探すどころか、次から次へと現れるひどい環境にいる犬、殺処分目前の犬たちなどをどうしても見捨てることができず、気がつけば引き取ってしまいます。

　コメディータッチで、笑いがこぼれる作風でありながらも、ペットロスや捨て犬の殺処分、飼い主の虐待、飼い主不足など、ペットにおける様々な問題を余すことなく入れこんだ本作。何よりもペットは飼い主にとって、ずっと“家族”であるというメッセージが丁寧に織り込まれていて、クライマックスのシーンでは熱いものが込み上げそう。

『マイ・ハート・パピー』というタイトルどおり、観れば、ペットに会いたくなること必至の感動作に仕上がっています。１月２日（火）公開なので、お正月の“映画初め”にはぴったりな作品。ぜひ映画館でご覧ください。

愉快な犬たちのチームプレーに感動

　２本目に紹介するのは、TVシリーズがファミリーに人気を博し、2021年に公開された劇場用映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』も大ヒットしたシリーズ最新作『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』。「パウパト」の愛称で知られる子犬たちのチーム、パウ・パトロールが、街で起こったトラブルに立ち向かうという、なんとも頼もしい設定です。

　本作では、舞台となるアドベンチャー・シティーに魔法の隕石（いんせき）が落ちたことで、パウ・パトロールたちはマイティパワーを授けられ、「マイティ・パウ・パトロール」に変身！　パウ・パトロールの中で体が一番小さなスカイにとっては、まさに夢のような力です。

　ところが宿敵であるライバール市長が刑務所から脱獄し、隕石に取りつかれたマッドサイエンティスト、ヴィクトリア・ヴァンスと手を組んでいたからさあ大変！　彼らがパウパトたちのマイティパワーを奪おうとする中で、アドベンチャー・シティーの命運をかけて、スカイが大奮闘していきます。

　ビジュアルも含めて、子ども向けのファミリー映画ではありますが、犬たちの頼もしさやチームとしての連携プレー、ダイナミックなアクションシーンに加え、ドキドキハラハラしながらも、琴線を揺らす人間ドラマが大人にも好評を博しました。特にド迫力のアクションシーンは、文字通り前作よりも数倍パワーアップしています！

　なんといっても、キャラ立ちした犬たちが最高。天性のリーダーである警察犬で、ジャーマン・シェパードのチェイスに、勇敢な消防犬であるダルメシアンのマーシャル、リサイクルの達人でミックス犬のロッキー、強くて荒々しいけれど、優しい心の持ち主であるブルドッグのラブルなどが、マイティパワーを披露するシーンには大興奮。

　また、特筆すべきは、丸くてもふもふしたポメラニアンの子犬３きょうだいによるジュニアパトローラーズ「ナノ・ミニ・プチ」という新キャラクターたち。種崎敦美、鬼頭明里、高橋季依ら人気声優が声を当てていますが、激カワで観ればメロメロになりそう。

　そして、小さなスカイでも、勇気をふりしぼれば大きなことを成し遂げられるという、胸熱なメッセージにガツンとやられそう。幅広い世代に見てほしい快作なので、家族や友人を誘ってぜひ映画館へ！

犬と夫婦が成長しながら家族を作っていく

　最後に紹介するのは、Netflixで独占配信中であるインドネシア映画『ジューン&コピ』。ゆったりとくつろぎながら観て、ほっこりできる犬映画としておすすめです。

　ジューンとコピという２匹の犬と、飼い主であるアヤ（アーチャ・セプトリアサ）とアーレ（リアン・デロン）の若い夫婦が織りなす物語。最初に飼われていたのはコピで、ジューンはアヤがうっかり拾ってきた野良犬でした。すでにコピを飼っているので反対していたアーレですが、アヤにせがまれ、ジューンを迎え入れることに。

　やんちゃなお騒がせワンコであるジューンとおとなしいコピ。正反対な性格の犬ですが、それぞれに愛敬たっぷり。劇中では、いたずらをした時のドヤ顔や、怒られた時のしょんぼり顔など、様々な表情を見せてくれますが、犬たちの賢さや芸達者ぶりにも感心させられます。

　やがて夫婦に娘カリンが産まれますが、小さな赤ん坊とジューンとのやりとりにもキュンキュンさせられそう。アヤたち夫婦が親として成長していくとともに、ジューンも大切な家族となっていく過程が描かれていきます。また、最初は夫のアーレと折り合いが悪かったジューンですが、カリンとは大の仲良しとなり、まるできょうだいのように育っていきます。

　人間と犬が共に暮らし、時間を重ねていくことで、なくてはならない家族になっていく。愛犬家であれば、大いにうなずける展開ですし、後半では涙を誘うシーンも用意されています。ぜひ大切な家族や友人と一緒に、ご覧いただきたいです。