小学校1000校に贈ることを目指す絵本「おれは待っている」の表紙(リーフノット提供)
小学校1000校に贈ることを目指す絵本「おれは待っている」の表紙(リーフノット提供)

小学校1000校に絵本を贈りたい 動物が幸せに暮らす未来目指し保護団体が支援募る

 動物が幸せに暮らせる未来をつくりたいと、動物保護団体が絵本を小学校1000校に贈ることを目指しクラウドファンディングで支援を募っている。締め切りは9月25日午後11時だ。

(末尾に写真特集があります)

16年ケージ内で暮らした猫

 絵本をつくったのは、大阪府箕面市の動物保護団体、一般社団法人「リーフノット」代表理事の飛田俊さんだ。飛田さんは殺処分など動物たちの問題を知り、当時務めていた会社を辞めて動物保護施設で約4年間働いたあと、2019年にリーフノットを立ち上げた。

 保護経緯としては保健所からの受け入れが主で、さらに飼い主が他界してとり残されたり交通事故にあった動物を助けたりしている。「でかお君」は、外で行き倒れになっているところを保護した。三毛猫の「鰆(さわら)ちゃん」は、凶暴だという理由で16年にわたりケージから一歩も出してもらえずに暮らしていた。

三毛猫
鰆ちゃん(リーフノット提供)

 どうしたらつらい思いをする動物たちを減らせるのか。多頭飼育崩壊でがりがりにやせたり、人間を信じられなくなったりする動物たちの姿を、もうこれ以上見なくて済むようにするには? 飛田さんは考え抜いた末に、「伝えること」が必要だと考えて啓発活動に力を入れてきた。小学校、中学校、高校で命の授業を行っているほか、これまでに動物をテーマとした絵本を2冊出版した。

授業の様子
飛田さんは「命の授業」を行っている(リーフノット提供)

絵本を贈りたい

 今回は1作目の絵本「おれは待っている」を、大阪府を中心とした1000校の小学校に届けたいという。

「おれは待っている」は、保護されたある猫の心の内を描いた絵本だ。保護シェルターで過ごす13歳のその猫は、気むずかしくて他の猫とも交わらず、いつもひとりで誰かを待っている。何を待っていたのか、その願いがかなうのかは、絵本のラストで明かされる。絵本の内容は公開されていて、すべて無料で読むことができる

 さらに、3作目の絵本をつくる予定だ。タイトルは「7回目の命」を予定しているという。

キジ白猫
外で行き倒れになって保護された「でかお君」(リーフノット提供)

 今回のクラウドファンディングでは、1作目の「おれは待っている」を大阪府を中心とした小学校1000校に贈る費用と、3作目となる新作絵本の制作費用への支援を募っている。

 飛田さんは、「このプロジェクトはすぐには効果が見えないが、確かに意味があると感じられる。動物が安心して暮らせる未来をともにつくってもらえたら」と話している。

 クラウドファンディングでの支援はこちらから。締め切りは9月25日午後11時だ。

(磯崎こず恵)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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