おっとりみんなを和ませる 老舗種苗店のビッグな看板猫「山ちゃん」

和代さんに抱っこされて

 ホームセンターには置いてないような種類の種も豊富で、野菜の苗もしっかりしていると定評のある畔柳(くろやなぎ)種苗店は、岡崎市で120年続く老舗のお店。種を蒔く時期や、肥料はどれが良いかなど店員さんが親切にアドバイスしてくれる。3~5月は野菜や花の苗販売で忙しく、レジに行列ができても、その近くでデンと構えているのが看板猫の山ちゃん(推定10歳♂)だ。

(末尾に写真特集があります)

 オーナーの畔柳二郎さん・和代さんご夫妻の家では、代々猫が飼われている。種を食べてしまうネズミ退治要員として、猫が大いに働いてくれるからだ。その代わり、猫が苗鉢の上で寝てしまったり、ビニールハウスの屋根に乗って破いてしまうのはご愛嬌。猫好きのご主人が笑って修理してくれる。

レジ近くにあるツメトギの中で

 2016年の春ころ、オーナー夫妻の家近くに痩せこけた姿でフラリと迷い込んできたキジトラ猫。病院へ連れていくと推定年齢4~5歳で、迷い猫なのだろうか去勢はされていたものの飼い主は見つからず。警戒心が強く、凶暴でシャーと威嚇する姿は野生そのもの。風貌も山猫みたいなので、いつしか「山ちゃん」と呼ばれるようになった。畔柳家には既に4匹の猫がいたが、オスの成猫とは相性が合わずお店へ連れていくことに。すると、たくさんの植物と優しい店員さんに囲まれて、1匹で堂々としていられるからかすっかり落ち着き、性格も実に穏やかになった。

店員さんの接客を見守る山ちゃん

 広い店内と暖かい温室の中を悠々自適にお散歩する山ちゃん。現在体重は7キロあるが、これでもスマートになったそう。山ちゃん会いたさに定期的に店へ通うお客様もいるそうだ。子どもたちに触られてもおっとりしており、巨漢が可憐な花苗の間で日向ぼっこしている姿はなんだか微笑ましい。お客様だけでなく店員さんたちも和ませてくれる存在だ。

(取材・原田佐登美)

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