ぶりに話しかけながら診察(Yさん提供)
ぶりに話しかけながら診察(Yさん提供)

通院が苦手な愛犬のため選んだ往診動物病院 飼い主にとって心強いサポーターに

 飼い主にとってもペットにとっても、初めての動物病院選びは重要だ。Yさんが病院慣れしていない愛犬のために選んだのは、東京都内23区を中心に往診サービスを展開する『アニホック往診専門動物病院』(以下アニホック)だった。

 Yさんにとっても初めての経験だったという、往診サービスの感想と利用したメリットを伺った。

(末尾に写真特集があります)

初めて迎えた愛犬 

 東京都港区で暮らすYさんは昨年の11月、念願だった犬を家族に迎えた。

 はるばる愛知県まで足を運び、訪ねたブリーダーのもとで出会ったのは、当時1歳だったウェルシュ・コーギー・ペンブロークのぶり(雌)。

 元気にほえる子犬たちの横で、おとなしく寝そべっている姿が目に入った。

「近づいてみるとごろんと転がっておなかを見せ、なでさせてくれました。ブリーダーに尋ねると、『この子は成長しすぎて飼い主が見つからない』と。『ならば、この子にしよう』と迷わず決めましたね」

コーギー
はじめは子犬を希望していたYさんだが、温厚で甘えん坊なぶりに引かれた(Yさん提供)

 Yさんにとってぶりは、初めて迎える犬だった。

「ぶりはとても温厚な性格で全くほえないし、特にしつけをした記憶もないのですが、かんだりものを荒らすこともない。だから、犬ってこんなに静かなんだ!と驚きましたね。ほかのわんちゃんに触れ合う機会が増えてからは、その子によってだいぶ性格が違うことに気付いたんですが(笑)」

 ぶりは、いつもYさんのかたわらに座り、じっと主人の様子を見つめている。

「感情表現が少ないので、何を考えているのかよくわからないんです(笑)。ただ、ぶりが嫌がることや怖がることはなんとなくわかってきたので、先回りして取り除いてあげたいですね」

往診サービスでワクチン 

 1歳までブリーダーのもとでワクチンを打っていたぶりは、動物病院を経験したことがなかった。

「友達の飼っているわんちゃんは、病院がストレスになって吐いてしまうと聞いていたので、ぶりを連れて行くことには不安がありました。ぶりはよくほえるわんちゃんが苦手だし、待合でおびえて鳴いているわんちゃんに出会ったら、きっと怖い思いをするはずですから」と、Yさん。

 そんな事情からYさんは、ぶりが来てから初めてのワクチンを、動物専門の往診サービスに依頼することにした。

「近所で動物病院を探したとき、たまたますごく近くに『アニホック往診専門動物病院』(以下アニホック)があったんです。家に来てくれるということだったので、人見知りのぶりにとって通院の負担が和らぐのではないかと考えました」

診察を受けるコーギー
獣医師の人柄に安心して処置を任せられた(Yさん提供)

 一方、「ぶりのためとはいえ、初対面の獣医師を家の中に入れることに抵抗はありましたね」と話すYさん。

 往診日当日、自宅を訪ねてきた優しい雰囲気の獣医師に、ほっと胸をなでおろしたという。

「お話ししてみると、ご自身でも犬を飼っているとか。ぶりに対しても目線を合わせて声がけしながら丁寧に診察してくれて、『本当に動物が好きなんだなあ』と伝わってくる方でした。処置の手際も良くて、ぶりが怖がるすきもないままワクチンをささっと打ってくれたんですよ」

心強いサポーター 

 Yさんが次にアニホックを利用したのは、ワクチンの翌日。

 ぶりが脚を引きずって歩く様子を見せたことから、すぐにホームページから予約した。

「たまたまコーギーに多いヘルニアの症状が出たようでした。脚の症状なので、病院まで歩かせることができず、かといって体重が11kgもあるぶりを抱えて通院することも難しい。信頼できる先生に往診に来ていただけることはすごく助かりましたね。『前の日に受診しておいてよかった!』と思いました」

コーギー
しつけやご飯のあげ方など、症状のこと以外でも相談に乗ってもらえる(Yさん提供)

 Yさんにとって、ぶりを担当した獣医師は、犬の飼い方について相談できる心強いサポーターでもあった。

「ただ診察して処置をして終わり、ではなく、私が不安に思っていることをじっくり聞いて、日々の生活に対するアドバイスをくれることが本当にありがたいんです。診察してもらった症状以外でも、食べムラがある時の対応や、食事の内容についてのアドバイスもしてくれました。実際、先生にすすめられた通りに年齢にあったご飯に変えてみたら、食べムラがなくなって便の状態も安定してきたんです」

病院嫌いの子に勧めたい 

 アニホックでは、通常の診察料に加えて5500円〜往診料金がかかる。

 Yさんの場合、初めての利用時は往診料金が5500円に加え、初診料が2200円、ワクチンが6600円。再診料は1100円だった。

「通院時間も待ち時間も取られず、わざわざ来ていただけて、ぶりのためだけに丸々1時間ほど診察時間を取ってもらえることを考えると、良心的だと思います。病院嫌いのわんちゃんを飼っている犬友達にも勧めていますよ」

ワクチン接種を受けるコーギー
「ワクチンも手際よく済ませてくれたので、怖がりませんでした」とYさん(Yさん提供)

 ほかにもYさんは、感染症対策で外出を警戒している人や、周りに犬の飼い方について相談できる相手がいない人に、アニホックを勧めたいと話す。

「他の病院に行ったことがないので比べることはできないのですが、とても満足しています。ひとつ希望を出すとしたら、いざというときのためにレントゲンや手術にも対応している、通院型の提携病院を紹介してもらえたらうれしいですね。往診では対応できない症状の時に、アニホックの先生に紹介してもらえたらすごく安心して通えます」

 まさに現在、アニホックは地域ごとに地元の動物病院と提携する取り組みを始めている。さらに、今後は自社で施設型の動物病院を運営していく予定だ。

【前の回】愛猫に突然の末期がん宣告 通院ストレスを減らすため選んだ往診、心の支えにも

原田さつき
広告制作会社でコピーライターとして勤務したのち、フリーランスライターに。SEO記事や取材記事、コピーライティング案件など幅広く活動。動物好きの家庭で育ち、これまで2匹の犬、5匹の猫と暮らした。1児と保護猫の母。猫のための家を建てるのが夢。

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この連載について
往診動物病院のいま
往診専門動物病院を舞台に、獣医師の仕事や、診察を受ける飼い主と犬や猫の物語を伝えます。
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