愛犬・愛猫の健康診断のススメ 若いうちは年1回、7歳になったら半年に1回
病気やトラブルから犬や猫を守るため、飼い主さんにぜひ知っておいてほしい知識を、シリウス犬猫病院の院長、石村拓也獣医師が教えてくれます。連載18回目は健康診断についてです。
なんで健康診断って必要なの?
10月13日は「獣医さんの日」、そして「ペットの健康診断の日」でもあります。
みなさん、「健康寿命」という言葉をご存じでしょうか? 健康寿命とは、健康上問題ない状態で過ごせる期間のことをいいます。
近年、犬猫の寿命は伸び、ヒトと同様に長生きするコが増えています。大切な家族の一員には、“健康に”長生きしてほしいですよね。そのためには日頃から愛犬・愛猫の健康状態を把握しておくこと、また、変化に少しでも早く気づいてあげることが重要なポイントになってきます。
それに欠かせないのが「健康診断を定期的に受けること」です。
人は自分で病院に行くことができますが、物言わぬ犬猫は自分で行くことはできません。目に見えるような異常でない限り、早期に体の異常を見抜くのは難しいのです。
病気の早期発見には、早期から治療することができ、愛犬・愛猫の負担が軽くなる、その後の治療が簡単に済む、命の危険を回避できるかもしれない、などのメリットがあります。また、治療費の削減になる場合も多いでしょう。
異常が見つからなかった場合でも、健康な時のデータを蓄積することは大切です。集めたデータに変化が出てきたら、いち早く精密検査を行い病気の早期発見につなげたり、食生活や生活環境の見直しを始めるなどの疾病予防に役立ちます。
どのくらいの頻度で受診するのがいい?
健康診断の頻度は若い時は1年に1回、シニア期に突入したら半年に1回がおすすめと言われています。半年に1回なんて頻度が多すぎない?なんて思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
一般的に小型犬は7歳ごろになるとシニア期に入ったと考えられます。「7歳」と言われるとまだまだ子どものような気がしますが、小型犬で考えるとヒトの44歳相当です。ヒトだって若々しく見えても40代になれば何かしら不調も出てきますよね。
それと同じでシニア期に入ると病気にかかるリスクはぐっと増します。
費用はいくらくらいかかるの?
健康診断の料金は各病院によって差があります。
例えば…
Aコース:一般身体検査(問診、触診、聴診など)、歯科検査、血液検査 8,000円
Bコース:Aコース+糞便検査、尿検査、レントゲン検査 15,000円
Cコース:Bコース+超音波検査(腹部)、血圧測定、眼科検査 21,000円
検査項目はたくさんあり、どこまで細かく検査する必要があるのか、どんな組み合わせでやるのか等、獣医師と相談することがおすすめです。犬種・猫種や年齢、今までかかった病気などによっても変わってきます。うちの子にはどんな検査プランが合っているのか相談しましょう。
また、健康診断では絶食処置が必要であったり、尿や便の持ち込みを指示される場合もあります。病院からの指示をしっかりと確認しましょう。
まとめ
病気が見つかってから治療を行うのではなく、病気を未然に防ぎ、愛犬・愛猫の一生のうちの「健康な時間」を増やすこと。これがペットとそのご家族の幸せにつながるものだと考えます。
共に迎えるヒトとペットの高齢化社会に向けて、定期的な健康診断の受診が普及していくことを願っています。
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