猫だもの…穴があったら入ります 爪とぎボックスを開発
売れない木製プランターを「高級ねこプランター」として売り出し、人気商品に変身させた、岐阜県中津川市の会社が猫グッズ第2弾を販売する。名付けて「穴があったら入りたい」。地元の段ボール加工メーカーと組んで、猫が中に入って遊べる「爪とぎボックス」だ。
この会社は、中津川市付知町の土産物製造販売会社の「ゴシンボク」。伊勢神宮の遷宮に用いられるご神木と同じ山から切り出した付知町のヒノキで作った木製プランターの販売を委託され、猫がくつろぐ「高級ベッド」として販売したところ、SNSで話題となり、5月までに2450個を販売する人気商品に育て上げた。
今回は、段ボール加工メーカーの日本セキソー(中津川市蛭川)と共同で開発した。同社は段ボール製の爪とぎを製造していて、同じ猫グッズを売り出していたゴシンボクに共同開発を持ちかけた。
今回の新製品は「高級ねこプランター」の販売キャンペーン企画をきっかけに生まれたという。SNSのプレゼント企画の抽選動画を撮影する際に用いた手作りの抽選箱が、スタッフの飼い猫のお気に入りの居場所だと話題になった。「高級ねこプランター」の仕掛け人で、ゴシンボクの企画担当の山田文美さんは、同じようなものをつくったら、ほかの猫も気に入るに違いないと確信した。
日本セキソーの段ボール製爪とぎを箱の中に入れて、箱自体の製造も同社に担当してもらうことにした。
段ボール箱に開けた穴を出入りしてストレスを発散させ、猫の運動不足を防ぐことができる。飼い主にとっても、穴から飛び出すおしりやしっぽ、中から外をうかがう顔の写真や動画が撮れるうえ、箱の横に開けた三つの穴から、猫じゃらしや指で猫と遊ぶこともできる。
発送も組み立ても簡単にした上で、猫が好む穴や箱の大きさを検討した。製作には半年が掛かった。
できあがった試作品は、中津川市の「ハワイアン保護猫カフェ オハナ」に持ち込み、猫たちに体験してもらった。箱の大きさは縦32・5センチ、横30・5センチ、高さ32・5センチ。穴は直径15センチで、体重が6キロほどまでなら自由に出入りできるという。
ゴシンボクの山田さんは「『モニター』になってもらった猫たちは箱の中をのぞき込み、興味津々の様子だった。猫はプランターより気に入ると思う」と話している。
7月16日から、1個3960円(税込み、送料別)で一般発売する。問い合わせはゴシンボク(0573・64・8888)。(戸村登)=朝日新聞デジタル2021年07月11日掲載+09:00>
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