藤あや子さん、ダダ漏れの猫愛が本に 「マルオレのいない人生なんて考えられない!」

 ツイッターのアカウントには17万人(2021年1月25日現在)ものフォロワーがいる藤あや子さん。日々発信されるマル(雄)とオレオ(雌)とのラブラブな様子が、ついにフォトブック「マルとオレオと藤あや子」になりました!

「私は彼らのマネージャーです」と笑う藤さんに、本のこと、猫たちとの暮らしのこと、SNSのこと、うかがいました。

書籍「マルとオレオと藤あや子」(世界文化社)
フォトブック「マルとオレオと藤あや子」(世界文化社)

物心ついたときから猫がいた

「捨て猫を見つけると放っておけなくて。連れ帰っては親に叱られて……っていう典型的な動物好きな子どもでした。昔の、田舎の飼い方でしたから、今と違って出入りも自由。年を取って、ふっと姿を消して帰って来なくなったり。そんな時は悲しくてね。よく泣きました」

 家には猫以外にも、犬やインコ、オウムがいたことも!

「上京して歌手になってからも、猫を飼ったことがあります。歌手になって10年ぐらいしたころ、ペットショップで売れ残りになっていた子をみつけてね。ずっとひとりと一匹で暮らして、やがてその子を見送って。亡くしたときは本当にショックでした。もう二度と猫は飼わない、って決めたぐらい」

 それほど強く決意したというのに、今の藤さんは「もう猫のいない人生なんて考えられない!」。

 ツイッターやインスタグラムで大人気のマルちゃん、オレオちゃんとの楽しくにぎやかな毎日を過ごしています。

画像や動画を送ってもらって……

 マルは黒地に白シャツを着たようなタキシードキャットの男の子。オレオは白黒ハチワレの女の子。2019年6月3日生まれのきょうだいです。

「マルとオレオと藤あや子」(世界文化社)
ヘソ天で寝っ転がっているのがマルくん、手前の白黒猫さんがオレオちゃん。この添えられたコメントが、またじわじわきます。「マルとオレオと藤あや子」(世界文化社)より

「大阪に住んでいる義理の母の家のベランダに、ある日お腹の大きな黒猫が現れたんです。母は保護猫ばかり5匹飼っていて、地域猫の世話もしていましたから、このまま外で出産しては子猫たちが危ないと、その母猫を家に入れたんです」

 その数日後、生まれてきたのがマルちゃん、オレオちゃんを含む4匹の子猫たちでした。

「義母が毎日のように、写真や動画を送ってくれたんですよ。そしたらもう、メロメロ。もとから猫好きですから、いちころです(笑)」

 もっと送って! 今日はどうだったの?とせっつく藤さんに、お母さんも苦笑い。

「そんなに気になるなら、あなたが飼えばいいじゃないの」

 そうしてやってきたのが、マルとオレオだったのです。

SNSの人気者に

「生まれたのは雄が3匹に雌が1匹。オレちゃん(オレオ)だけが雌だったんです。写真や映像で見て、まずマルを引き取ろうと決めていました。一番最後に生まれた末っ子で、小さくて、可愛くて。で、もう一匹をどうしようかな、と思ったとき、初めは別の子を考えてたんです。でも会ってみたら、おとなしいオレオがマルと相性ばっちりで。あ、この子にしよう、と」

 生後一カ月ほどで藤さん宅にやってきたマルとオレオ。さあ、そこからは猫家族との生活です。子猫の飼育には経験があったものの、藤さんにとって初めての経験だったのが、SNSへの投稿でした。

「芸能人としてツイッターぐらいは、ってアカウントを開設はしてあったんですが、正直なところ『めんどくさい』。何か書かなきゃならないし、炎上は怖い。乗り気じゃなかったんだけど、猫が来たらコロッと(笑)。『見てみて! うちの子かわいいでしょ?』になっちゃいました」

「マルとオレオと藤あや子」(世界文化社)
右がかわいすぎるので「マントマンの刑」に処せられたマルくん。「マルとオレオと藤あや子」(世界文化社)より

 のびのびと暮らすマルちゃん、オレちゃんの写真にユーモラスなキャプション。藤さんの言葉選びのセンスが光ります。

「ツイッターって言い回しが独特なんです。ちょっと皮肉っぽかったり、笑いを誘うような。なので、そこはちょっと心がけて書くようにしました。慣れるとこれが楽しいんですよ。あ、私って意外とまじめだったんだ、って自分でも意外でした」

 作詞も手がける藤さん。言葉への思い入れはひとしおです。短い文章の中に思いを込めること、写真を見た人とのやりとりなど、勉強になったことも多かったといいます。

 藤さんのツイッターは、2匹の写真を発信し始めたら加速度的にフォロワーが増加。続けてインスタグラムにも投稿しはじめ、ついにはマルオレ専用アカウントを設けるまでになったのです。

保護猫界のスターになって!

 藤さんのインスタグラムのフォロワーは4万2000人ほど。そしてマルオレのフォロワーはなんと4万人!(いずれも2021年1月25日現在)

「なんだか追い越されそうな勢いです(笑)。でもね、それでいいんです。彼らを通して保護猫のことを知ってもらえるのが一番うれしい。保護猫だってこんなに可愛い、大切な家族になれるんだってことを知ってもらえたら。マルとオレオにはどんどん有名になってもらって、保護猫界のスターになってちょうだい、と。私はマネージャーでいいんです」

 昨年、sippoが開催したオンラインイベント、『みんなイヌ、みんなネコ』写真展にも、可愛いマル・オレちゃんの画像とともに、コメントを寄せてくださった藤さん。動物保護活動にも興味を持ってくださっています。

『みんなイヌ、みんなネコ』写真展
『みんなイヌ、みんなネコ』写真展に参加いただいたときのマルオレちゃんの写真とコメント

「ふるさとの秋田県動物愛護センターワンニャピアあきたを見学したとき、センター長さんがおっしゃった言葉が忘れられません。『この子たち(収容された動物たち)は、人と一緒に暮らして幸せになるために生きているんです』。

 未だに、保健所や愛護センターは野良犬・野良猫を収容して殺処分するところだと思われている。そうじゃないんです。保護猫も保護犬も大切な命だということを、マル・オレの姿を通して伝えられたら」

 猫をきっかけに藤さんのことを知る、新たなファンも増えてきました。「マルオレちゃんのお母さんの歌、聞いてみよう」という人も増えつつあります。

「猫に会いたくて会いたくて、ステージが終わったら衣装のまま車に飛び乗って帰って来ちゃう。ツイッターにも『今日は遅くなった!』って書き込むと『早く帰ってあげてください』なんて。温かいやりとりができて、私もたくさんの幸せをもらっています」

藤あや子さん(撮影/大見謝星斗〈世界文化社〉)
藤あや子さん(撮影/大見謝星斗〈世界文化社〉)

 そして日々、SNSに流れ続けるマルちゃん、オレオちゃんの姿がついに一冊に。藤さんは「SNSをやらない人にも届くといいな」と期待しています。

「始まりはほんの親バカ投稿。日々の様子にコメントを付けているだけです。それを見事にまとめてくださったのは、出版社の編集スタッフの方々のおかげです。

 本はスマホやパソコンがなくても、いつでも手に取ってみることができるもの。SNSを使う人も使わない人も、彼らの姿に癒されて、少しでも保護猫たちのことを考えてくれたら、マネージャーとしては最高にうれしいと思っています」

マルとオレオと藤あや子
著者:藤あや子
出版社:世界文化社
サイズ:A5変判/160ページ
価格:1,400円+税
※本の売上の一部は、動物愛護団体に寄付されます
藤あや子さん 公式ツイッター

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浅野裕見子
フリーライター・編集者。大手情報出版社から専門雑誌副編集長などを経て、フリーランスに。インタビュー記事やノンフィクションを得意とする。子供のころからの大の猫好き。現在は保護猫ばかり6匹とヒト科の夫と暮らしている。AERAや週刊朝日、NyAERAなどに執筆中。

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