「保護犬・猫はどうだろう」拾っても、もらっても、買っても…かわいさ、大変さは同じ
9月に開催したsippoのチャリティーイベント「みんなイヌ、みんなネコ」でトークライブに参加してくれた、イラストレーターの竹脇麻衣さん。ライブでも話題になった「保護犬や保護猫を引き取る」ことについて、わかりやすく紹介します。犬や猫と暮らしたいと思っていたら、ぜひ参考にしてくださいね。
保護犬・猫を引き取るという選択肢を
最近、「保護犬」「保護猫」という言葉が、普通に耳に入ってくるようになった。
著名人の方々がいろいろなメディアで発信している影響も、大きいと思う。
入口は何だっていい。
たくさんの人が「譲渡会」の存在を知ることで、いつか生体販売がなくなったらいいな、と思う。もちろんペットショップで動物を買ったとしても、最後までお世話をするなら何の問題もない。でも、動物を飼おうと思ったときの1番の選択肢が「保護犬」「保護猫」を引き取る、となったら、どんなに素敵だろう。
私は物心ついた時から庭や近所で弱った猫を拾っていたので、いつも保護した動物たちが家にいた。母親が3匹の子犬を拾ってきた時には、「まいちゃん、犬を飼ってもいいかしら」と聞くほど、私は動物のお世話に没頭していた。
保護した動物たちは年齢もバラバラで、親子の場合もあれば、兄弟姉妹、腹違いなど様々。でも、子犬たちは大きな猫たちにしっかり教育され、猫に手を出すことはなかったし、猫たちもそれぞれ気の合いそうな子とつるんで遊んでいた。
もちろん喧嘩をすることもあったが、そういう時は「仲裁猫」というのがいて、「まあまあ」などと言って治めていた。新入りにトイレの場所やご飯の時間を教えるのは先住猫たちで、弱った猫や子猫の面倒を見るのは、なぜかオス猫が多かった。
つまり保護犬・猫の面白いところは、生き抜いてきていたスキルに基づく不思議な社会性があるところなのだ。
そんなこともあり、譲渡会ではたまに2匹セットで譲渡希望の猫がいたりする。仕事が忙しくて留守がちな人は、そんな猫たちを引き取ることで、お互いにとても幸せになったりもする。
出身がどこであってもかわいさ、大変さは同じ
確かにペットショップでガラスケースに入っている子猫や子犬はこの世のものとは思えないほど可愛い。でも、お世話は想像以上に大変で、それこそ24時間体制で育てる覚悟がないと、死んでしまうことすらある。
だから初めて動物を飼う人や仕事が忙しい人は、少し成長していて、去勢や避妊の手術、血液検査が終わっている(※譲渡会にもよります)動物を譲渡会でもらうことは、メリットしかないと思う。だってあとは目一杯、可愛がればいいのだから。
また、「お試し期間」が設けてあったり、不安な部分に相談に乗ってくれる譲渡会は多い。(ちなみに、そういうケアがない譲渡会はちょっと疑ったほうがいいかもしれない)
譲渡条件が厳しいのには理由がある
ただ、「譲渡会で譲ってもらえない」というケースもある。
せっかく飼う気満々だったのに譲渡してもらえないと、とっても悲しい気持ちになるだろう。でもボランティア団体には、「保護した子に二度と辛い思いをさせたくない」という強い思いがある。だから、かなり踏み込んだアンケートを取られることもあるし、家庭訪問があったり、フードの指定や、定期報告を求められることもある。
でも、それはひとえに動物たちの幸せを思うがゆえ。自分が思いつかなかったような「動物を飼う心構えの穴」を見つけてくれていると思ってほしい。
新しい恋人が猫アレルギーだったから、とか、次に住む家がペット不可だったから、とか、家具を傷つけられるなんて思わなかったから、とか、そんな身勝手な理由で捨てられてしまった子たちをボランティアさんは星の数ほど見ている。
だから、なのだ。
近くにバックアップできる人がいるかどうかが条件に含まれていたりするのも、急な入院や孤独死の現場に残されてしまうことを避けたいから。
厳しい審査には、ちゃんと理由があるのだ。
もし譲渡してもらえなかったとしても、「預かりさん」や「お散歩さん」のボランティアもあるし、「寄付」という形もある。私も自分の猫たちを全部看取ったら、「預かりさん」をするつもりだ。
でも預かった子を手放せなくなりそうだから、動物好きだけのシェアハウスを作って、自分が死んでも大丈夫な環境を動物たちに作れたらな、なんて夢を、こっそりと描いている。
■「みんなイヌ、みんなネコ」のトークやオンライン譲渡会の様子は、sippoのYoutubeチャンネルでご視聴いただけます。
穴澤賢さん×竹脇麻衣さんのトークライブの動画はこちら
イラスト/竹脇麻衣
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