「世界の猫の飾らない姿を」 新美敬子さんの“世界の旅猫”カレンダーでゆったり旅気分
今年も残すところあと3か月。早くも、来年のカレンダーを選ぶ季節がやってきた。そこで猫好き、旅好きの方にオススメしたいのが、犬猫写真家の新美敬子さんによる『世界の旅猫カレンダー2021』(辰巳出版)。
マルタ共和国、台湾、ポーランド、スペイン、スイス、チュニジアなど、新美さんが世界を旅した中で出会ってきた猫たちの、生き生きとした表情を大判で楽しめるカレンダーだ。
例えば、1月は台湾の猫。願い事を書き入れるランタンの前で、空に舞い上がるランタンの様子を体全体で表現している。また8月は、一人旅をする人の話し相手になってくれるタヒチの猫。6月と7月の間にとじ込まれた大判のポスター(51cm×36cm)には、ポルトガル・リスボンの静かな住宅地にゆったりとたたずむ猫が登場する。
「世界の猫の飾らない姿を」
こんなにも自然で、表情豊かな猫たちを、海外でどのように撮影しているのだろうか。新美さんに、写真の背景や猫について聞いた。
――出会ったばかりの猫を撮影する際、心がけていることはありますか?
「その猫の魅力を引き出すことです。「時間はあるから、好きなだけ撮っていいよ」というような猫には、どう映りたいか聞きます。すると、『得意技は、ゴロンゴロンよ』とか、『シッポが自慢なので、よろしく』など、ヒントを与えてくれます。モットーは、撮影のために決して無理をさせないこと、そのままを撮ることです」
――猫を撮影していて、気持ちが高揚するのはどんな瞬間ですか?
「猫がかわいい格好をしていたり、思いがけない場所で寝ていたり、人との関わりのエピソードを聞いたときなどです。いい写真というのは、わたしにとっては、その猫の性格がわかるような写真、飼い主や世話をする人の愛情が(そこに人が写っていなくても)見てとれるような写真です。
11月のロドス島(ギリシャ)の猫は、驚かしてやろうと思ったのか、塀の向こう側から突然現れ、体を低くし、シッポをブルンブルンふっていました。そのいたずらな表情をとらえることができたので、満足な1枚です」
――このカレンダーは、新美さんが今まで撮りためた写真から厳選したとのことですが、選んだポイントはありますか?
「今年は、年初より新型コロナウイルスの影響で、行動が制限されてきました。この状況がいつまで続くかわからない不安のなか、まず、カレンダーを買い求めてくださった方に『少しでも元気が与えられたら』と思いました。2021年は、晴れ晴れとした気持ちで、心豊かな暮らしが送れますようにと願い、自然体で猫らしい動きが写っているシーンを選びたいと思いました。
また猫の背景が、できるだけその地域の特色が感じられるものを選びました。猫たちにとって、自分が暮らしている環境は唯一無二の宝物で、自慢したい場所だからです。それを皆さんに見てほしい、世界の猫の飾らない姿をご覧いただきたいと思いました」
――猫の写真を撮り続けている新美さんにとって、猫とはどんな存在ですか?
「『ともだち』尊敬しています。また、『尊重すべき存在』とも思う。内面的には、『自分を映す鏡』です。猫は、自分に対して正直で、無理をしません。人は、頑張りすぎていないか、我慢や無理を重ねていないかと、ときどき客観的に自らを省みることが大切ではないでしょうか。
猫にさわると、無心になれる。ズボラなわたしは身だしなみに無頓著ですが、猫の凛とした姿を目にしたときに、たしなめられた気がするのと、同時に励まされたりもします。先ほどは、『健康に気をつけて、猫たちのために長生きしてね』と諭されましたので、『はい』と答えておきました 」
“自慢したい場所”で暮らす世界中の猫たち
同カレンダーの編集担当の宮田さんは、「新美さんが撮影されたカレンダーは毎回好評でしたが、新美さんご自身のテーマともいえる“世界の旅猫”カレンダーはこれまでになく、今回満を持しての発売となります」と自信をもって勧める。
気軽に海外旅行ができない今だからこそ、世界中の猫たちのみずみずしい表情が詰まったこの異国情緒あふれるカレンダーを見て、 “自慢したい場所”で暮らす猫たちに想いを馳せてみてはいかがだろうか。
- 『世界の旅猫カレンダー2021』
- 出版社:辰巳出版
仕様:壁掛型(258×360mm)・中綴じ・28 頁
本体価格:1,200 円(税抜)
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