引き取って性格が変わった! 保護犬「ボル子」を迎えて感じる幸せ

 3カ月前、初めて保護犬を引き取ったヨガインストラクターのJuriさん。出会った当初、激しかった犬の性格は引き取ったその日から、うそのように穏やかに急変した。保護犬を家族に迎えて、今あらためて感じることや伝えたい思いとは……?

(末尾に写真特集があります)

ハワイで暮らす愛犬との別離

 4年前までハワイに住んでいたJuriさんは、7歳になるフレンチブルドッグの愛犬ルル子と暮らしていた。しかし、ここ数年は仕事で東京とハワイを行き来する日々。短頭種の犬を飛行機に乗せるリスクを考慮し、ルル子は現地の友人宅に預けていた。東京に拠点を移してからは、愛犬と離れ離れの生活が一層寂しく感じられたという。

「3月末には絶対、ルル子を東京に連れて帰ると決めていたんです。でも、コロナウイルスの影響で迎えに行けなくなってしまって……。そんな矢先、預け先の友人宅からも正式にルル子を引き取りたいと相談されたんです」

 自身の都合で東京へ連れて来るより、そのまま自然豊かなハワイの土地で愛されながら育つほうがルル子にとっては幸せかもしれない。悩んだ末、信頼できる友人宅へ引き渡すことを決断した。

フレンチブルドッグ
ボル子

保護犬との衝撃的な出会い

 幼い頃から犬と共に生きてきたJuriさんにとって、愛犬の居ない生活は考えられなかった。さらに、保護犬の譲渡を行う動物愛護団体のアンバサダーを務めていた経験もあり、次に迎えるなら保護犬と決めていたのだ。

「殺処分の現状を目の当たりにし、いつか保護犬を迎えたいと思っていたんです。すぐには見つからないだろうなと思いながらも、保護犬サイトを頻繁にチェックするようになりました」

 そこで目に留まったのがブリーダー放棄犬だった推定3歳のフレンチブルドッグ。ルル子と同じ犬種だったこともあり、すぐにコンタクトをとった。

「6月に一時預かりのボランティアさん宅へ会いに行ったんです。その子は目を充血させながらずっと走り回っていて、ヨダレもすごくて。クッションの中綿を出してしまったり、お留守番になるとふんをまき散らしてしまったり……。なでさせてくれないほど暴れん坊だったんです。ボランティアの方が手を焼いてしまうくらい、とにかくエネルギーがありあまっている子でした」

保護犬
初めて会ったときのボル子(Juriさん提供)

預かった途端、キャラが急変

 週末は海や山で過ごすことの多いJuriさん。怖がりでおとなしいよりは、暴れん坊でも元気な犬のほうが自分のライフスタイルに合っていると感じ、まずはお試しでその犬を預かってみることに。

 すると、ひと晩過ごしただけでうそのように温厚な性格に変わったという。

「トイレもすぐに覚えてくれて、お散歩中もとってもいい子。翌日には正式にお迎えすることを決めました。ブリーダーさんいわく、ちゃんと自分の居場所が見つかると落ち着くのか、性格がガラッと変わる子もいるみたいですね」

 晴れてJuriさんの愛犬となったフレブルは、その活発さからアスリートのウサイン=ボルトにちなんで「ボル子」と名付けられた。

保護犬 フレンチブルドッグ
「ときどきハイパーボル子になりますが、基本はメローな性格」

「保護犬=可哀想」ではない

 引き取ってからは、職場のヨガスタジオへ毎日連れて行き、同僚たちにも愛される存在となったボル子。保護犬を迎えるうえでは「自分とライフスタイルの合う子を見つけること」が大事だとJuriさんは実感している。事実、彼女のアクティブなライフスタイルは、ボル子の気性にぴったり合致した。

 保護犬は、育った環境次第では病気を抱えていたり、性格に問題があるケースも少なくない。ボル子も、ドライアイで片目に腫瘍(しゅよう)があり、軽い皮膚病を抱えるなど身体的な問題がないわけではなかったが、目薬の処方や食事管理など、細やかなケアで驚くほど改善をみせている。

ヨガ 犬
ヨガポーズをとると寄ってくるボル子

「保護犬というだけで可哀想なイメージが先行しがちですが、ネガティブなことにばかりにフォーカスすべきではないと思うんです。犬は、新しい生活が始まればそれに順応する生き物。過去に縛られることなく、ちゃんと“今”を生きているのだから」

制限されることより、楽しいことが多い

 犬を飼うとなにかと生活が不自由になると感じる人も少なからずいるが、Juriさんの考えはむしろ逆。

「最近は同伴で入れるお店も増えているし、公共の交通機関だって使える。犬を飼って制限されることより、楽しいことのほうがずっと多いと思うんです」

保護犬 フレンチブルドッグ
「ボルちゃんが居なかった生活をもう思い出せない」

 ボル子との生活がスタートして早3カ月。Juriさんにとってはもう、かけがえのない存在だ。

「ボル子は一緒に居るだけでいつも笑わせてくれる。毎日幸せだなぁって感じられるんです。彼女が居なかったときの生活がもう思い出せないくらい(笑)」

 ともすれば心を失ってしまいそうな都会での忙しい日々も、愛犬が傍にいてくれることで「自分を保てている」というJuriさん。行き場をなくしていた、ボル子という最高の相棒と出会い、彼女の日常は今幸せに満ちあふれている。

ヨガと犬
ボルちゃんと相性ばっちりなJuriさん

Juri Edwards(エドワーズ壽里)
東京出身、大学時代を過ごしたカリフォルニアでヨガに出合い、ハワイ移住後、ハワイを代表するヨガインストラクターとしてアメリカ最大ヨガイベントで講師を務める。2015年にアパレルブランド「ルルレモン」の日本の立ち上げを務め、2019年にアジア初「カントリーアンバサダー」に抜擢。アスリートのマインドフルネスコーチとしても活動しながら、自身のスタジオIGNITE YOGA STUDIOを手がける。公式サイト juriedwards.com、インスタグラム @jurikooo
※2020年10月にIGNITE YOGA ONLINE STUDIOがオープン。@igniteliving にて毎朝8時にヨガのインスタライブを開催中(10/31まで)。

(写真・山本佳代子)

栗原うらら
フリーライター・編集者。大手アパレル企業を経て、出版社へ入社。女性誌の編集部にて10年勤務したのち、フリーランスに。ファッション、ライフスタイル、人物インタビュー、ペットの記事などを執筆。幼い頃から犬、ウサギ、猫、モルモット、ハムスターなど多くの動物と触れ合いながら育ち、現在はブサ可愛いフレンチブルドッグの愛犬と同居中。instagram@bonstagram0502

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