住民の手でドッグラン開設へ 「飼い主のつながりを深めたい」

ドッグランが開設される予定の高梁川河川敷
ドッグランが開設される予定の高梁川河川敷

 西日本豪雨で大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町地区の河川敷で、住民らがドッグラン開設の準備を進めている。愛犬家が集う場所として地域のにぎわいの拠点としたい考えで、4月のオープンを目指している。

 用地は、同町川辺地区の高梁川河川敷に広がる約3千平方メートルの一部。管理する国土交通省が活用策を募集し、昨年春に地元の会社員松本竜己さん(55)が提案した。元トリマーの妹の助言を受け、ドッグラン開設を思いついたという。

 松本さんら住民有志の計画では、今後、柵を設置し、小型・大型を問わず飼い犬を自由に走らせることができるようにする。利用は会員制とし、運営・管理は会員が担う。土地は無償となる見込みで、維持費や整備費は会費などから賄う。

 松本さんは豪雨で自宅が全壊。家族6人で避難し、倉敷市内のみなし仮設住宅などを経て昨年11月、真備で自宅を再建した。避難生活で痛感したのは、共助の大切さだ。支援物資の受取場所や入浴場所などを知るには、SNSによる情報交換が不可欠だったという。

 町に戻って以降、「真備へ恩返しをしたい」との思いからボランティアに取り組んだ。土地の活用策募集を知り、「真備をみんなが住みたくなる楽しい場所に」とアイデアを練った。

 計画に協力する大森裕子さん(47)=倉敷市玉島=は、同市保健所収容犬の譲渡を手伝うボランティア活動に取り組む。西日本豪雨の際には、真備で被災者のペットを預かる活動をしていた。大森さんによると、ペットと利用出来ない避難所もあり、世話と避難の両立に苦しむ飼い主も多かったという。「飼い主仲間のネットワークがあれば助け合える。ドッグランでの交流を通じて、つながりを深めたい」と話す。

松本竜己さん(右)らが2日に開いた説明会の様子
松本竜己さん(右)らが2日に開いた説明会の様子

 2日、松本さんの自宅で開いた会員募集の説明会には約10人が参加。川辺地区の50代の女性は「もしもの時のために、飼い主同士でつながれるのは良いこと。今からわくわくする」と話していた。

 説明会は9日にも松本さんの自宅(倉敷市真備町川辺558の1)である。午前9時~正午に計3回を予定。問い合わせは松本さん(090・1992・3576)へ。
(華野優気)

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朝日新聞
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