漫画で知ろう、介助犬のこと 介助犬協会、特設サイトで連載開始
体が不自由な人の生活を手助けする介助犬をテーマにした漫画の連載が11月1日から始まる。訓練施設「シンシアの丘」(愛知県長久手市)を運営する日本介助犬協会(神奈川県横浜市)が協会のホームページ(HP)で掲載。介助犬の長久手市選出や育成、介助犬を必要とする人々の思いなどが描かれており、介助犬への理解が深まることを期待する。
漫画のタイトルは「介助犬ライカ!」。介助犬と利用者、訓練士らが困難を乗り越えながら成長していく物語だ。
作者は、長久手市を拠点に活動する漫画家ユニット「真希(まき)ナルセ」の2人。
2人は2015年12月、自分たちが飼っている犬を題材にしたエッセー漫画「マキナルのもふもふ犬まみれ!」を手掛けた際、シンシアの丘を見学し、訓練の様子などを作品内で取り上げた。翌年から介助犬の応援団に。イベントで犬の似顔絵を描いたり、LINEのスタンプを提供したりして得た収益金を、シンシアの丘に寄付してきた。
これまでのつながりを踏まえ、シンシアの丘の創立10周年に際し、同協会が2人に漫画の制作を依頼した。
漫画を通じて介助犬への理解が深まることに期待
連載では、介助犬が訓練士や獣医師、ボランティアの協力といった多くの人手や手間をかけて育成される過程や、介助犬と出会った車いすの女性の暮らしの変化などを、綿密な取材を元に描く。
「訓練を受けさせられる犬がかわいそう」という意見もあるため、犬の適性や状態を確認して介助犬を選び、計画的に訓練することも織り込む。「人と一緒に仕事をしたり、行動したりすることが喜びと感じられる犬を選んで育成していることを知ってほしい」(同協会の担当者)。
また、連載には長久手市の安昌寺観音祭りのあんどんや、同市内にある愛知医科大学病院のドクターヘリ、救急医療など実在する催しや施設も随所に登場する。作者がドクターヘリのパイロットや搭乗する医師らから話を聞き、リアリティーを追及した。地元の関心を高める狙いがあるという。
背景画は、漫画家やイラストレーターを目指して勉強している名古屋デザイナー学院(名古屋市中区)の学生らが協力し、授業の一環として描く。
漫画はモノクロで、無料で読むことができる。1話25ページ程度。同協会のホームページの特設サイトで毎月1話ずつ、全16話を掲載する。
同協会の担当者は「介助犬の存在はまだまだ知られていない。いろいろな手段で周知する必要がある。漫画も有効な手段の一つで、理解が深まることを期待している」と話している。
(松永佳伸)
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。