猫の殺処分減らすため譲渡条件を緩和 下関の動物愛護センター

 山口県下関市は市動物愛護管理センターに収容された猫の譲渡条件を見直し、殺処分減に取り組んでいる。

 同センターによると、収容された犬や猫は、毎月3回開く講習会を受け、修了証を交付された市民を対象に譲渡していた。これを猫の場合は事前予約した日に面接と講習を受け、適正な飼育の誓約書を提出すればいいことに改めた。8月から実施したところ、9月19日までに37匹が譲渡され、前年同期比で12匹増えた。

 昨年度の猫の収容数は712匹で、センターが発足した2009年度の1534匹に比べ半減した。ただこのうち市民に引き取られたのは59匹。9割にあたる646匹は殺処分された。環境省の全国統計では、17年度の殺処分率は約56%で、下関市はこれを大きく上回る。譲渡条件を希望者の都合に合わせやすくすることで、24年度には譲渡率を16%ほどにまで引き上げたいという。

 市は収容数そのものを減らそうと、昨年度から避妊手術の助成制度も見直した。犬猫いずれかを1世帯当たり1匹分、オスメスとも4千円助成していたのを、猫の場合は1世帯当たり最大7匹までに拡大。金額もオスは4千円、メスは6千円にした。

 市内では今春、100メートルほどのエリアで、虐待されたとみられる大けがを負った猫が相次いで保護された。センターは「動物の命は大切。かわいがって、正しく育ててほしい」と呼びかけている。問い合わせは同センター(083・263・1125)。

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