動物虐待の通報に 共通ダイヤル「おおさかアニマルポリス」開設
悩んだら、わん、にゃんにゃん――。大阪府は10月、動物虐待の通報を受け付ける共通ダイヤル「#7122」を開設する。虐待事案が増えるなか、起きた場所や虐待内容によって異なっていた窓口を一本化し、虐待の早期発見につなげる狙いだ。
名称は「おおさかアニマルポリス」。音声案内に従って虐待があった場所などを伝えると、AIが分析して府などの対応窓口につないでくれる。担当者が犯罪と判断すれば大阪府警に連絡する。自動音声とのやりとりは無料で、窓口につながった時点から通常の通話料金が発生する。具体的なスタート時期や、対応時間などは今後詰める。
府に寄せられた2018年度の相談件数は約1万2千件。3年前からほぼ横ばいだが、実際に遺棄や虐待と判断した件数は134件から275件と倍増した。動物愛護への意識が高まったことや、虐待の様子をSNSに投稿する事案が増えたのが理由だという。
虐待の通報窓口はこれまで、虐待をしているのが個人か業者かや、現場の自治体によって、連絡先が異なっていた。府には「わかりにくい」との苦情もあった。
野良猫、虐待の標的に 「数減らすことが重要」
環境省によると、飼育放棄などで府内の自治体に引き取られた所有者がわからない犬と猫の数は1910匹(17年度)で、猫が8割以上を占める。野良猫の保護や譲渡を行うNPO法人「おおさかねこ倶楽部」(堺市)の庄川節子代表によると、野良猫が虐待のターゲットになることが多いという。庄川さんは共通ダイヤル開設を歓迎しつつ「野良猫の数を減らすことが重要だ。不妊手術の助成や、虐待を抑止するための防犯カメラの設置などの対策も進めてほしい」と話す。
このNPOは、100匹を超える猫を保護している。遺棄や虐待とみられる猫の情報が定期的に寄せられ、実際に虐待を受けた猫を保護したこともある。
譲渡先を探すために運営する市内の猫カフェ「ニャンとぴあ」の一番人気だったオス猫「カイ君」もそうだ。15年12月に保護されたときには、両耳が付け根から切断され、視力や聴力も失っていた。今年7月に腎不全のため息を引き取った。
(高橋大作)
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