1匹でも多く救いたい 保護猫と触れ合い引き取れる施設オープン
保護猫と触れ合い、引き取ることもできる施設「保護ねこるーむBoron(ボロン)」(徳島県藍住町矢上、090・1324・2714)が今月3日、オープンした。立ち上げたのは保護活動に取り組む女性ら。一匹でも多くの命を救うのが狙いだ。
学習塾などが入る2階建てビルの1階。入り口で手を洗い、部屋の扉を開くと大きなキャットタワーが目に入った。上段や中段、カーペット敷きの床の真ん中にも、猫、猫、猫。壁際のソファに座ると、2匹が近寄ってきた。運営メンバーの一人、木村浩恵さん(52)は「ここは保護猫たちが本当のおうちを見つける出会いの場。時間をかけて触れ合って、相性を確かめて」。
オープン初日には6匹いたが、その日のうちに3匹に譲渡希望者が現れた。来月には子猫が仲間入りし、10匹ほどと会えるようになる。
運営するのは、ペットに関する資格を持つ木村さんら4人で、一部は一般社団法人「動物愛護協会フィリアネット」(徳島県板野町)のメンバー。徳島県動物愛護管理センター(神山町)から引き取ったり、町中などで保護したりした猫を自宅で預かって、新しい飼い主を探す活動を続けている。
ただ、メンバー1人が同時期に世話できるのは2、3匹。カフェや貸しスタジオで開く譲渡会では猫をケージに入れておく必要があり、猫と引き取り希望者がじっくりと触れ合えないのが課題だった。より多くの猫を保護し、引き取り手にも猫の魅力や性格を十分に知ってもらおうと、この施設を開くことにした。利用料金は猫のえさ代や治療費に充てている。
木村さんは「猫を引き取れなくても、触れ合うだけでも『猫助け』になる。ぜひ足を運んでほしい」。オープンは金、土、日曜の午前11時~午後6時。料金は60分1千円▽90分1300円(中学生以下半額)など。入室時は靴下をはく。猫を引き取る場合、不妊・去勢手術やマイクロチップ装着費用など2万5千円が必要。詳細はホームページ。
県動物愛護管理センターによると、昨年度センターに収容された猫は295匹。一部は飼い主の元に戻ったり、新たな飼い主に引き取られたりしたが、222匹が殺処分された。
(佐藤祐生)
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