「アニーの日本酒」できたよ 重い病気の子励ます犬をお酒で応援
横浜市南区の神奈川県立こども医療センターの「職員」で、小児がんなど重い病気の子どもたちの病室などを回って励ます犬の「アニー」を応援しようと、海老名市の蔵元がアニーの写真入りラベルを貼った純米吟醸酒を発売した。4月下旬のお披露目会にはアニーと、同センターの病院犬だった先輩「ベイリー」も出席し、花を添えた。
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この役割を担う犬は「ファシリティードッグ」と呼ばれる。アニーはオーストラリア生まれのゴールデンレトリバーで、3歳のメス。重い病気の子どもたちを支えるNPO「シャイン・オン・キッズ」が派遣し、2017年9月に同センターへ着任した。昨年10月に引退した11歳のオスのベイリーもレトリバーだ。
「アニーの日本酒」発売のきっかけは、同NPOが活動資金を得るためのパーティーを開く際、寄付の中心になっている招待外国人らに日本酒を提供してきたことだった。パーティーにも出席した経験がある海老名市の泉橋酒造(橋場友一社長)に、オリジナルラベルの日本酒をつくってみないかと声がかかった。
泉橋酒造は、オリジナル商品になることもあり、酒屋や飲食店の協力が得られるか不安な面もあった。だが、今年の新酒の出来がよかったこともあり、発売することを決めた。発売は、アニーの誕生日だった今年3月27日。同酒造内の売店とオンラインショップで販売しているが、すでに300本以上売れているという。
4月21日に同酒造で開かれたお披露目の会では、橋場社長が「私の弟もこども医療センターでお世話になった。こうした活動で協力できればと思った。(NPOへの)直接寄付も大事だが、こうした形でアニーやベイリーの話をつまみに日本酒を飲んでいただければ盛り上がるはず」と語った。
同NPOによると、ファシリティードッグは静岡県の県立こども病院にも派遣されているほか、今年度中に東京都内の病院にも派遣される予定。静岡と東京の蔵元でも、同様のオリジナル日本酒を売り出す計画があるという。
価格は720ミリリットル入りで1本2500円。うち700円がシャイン・オン・キッズへの寄付になる。すっきりとした軽快な味わいで、今後県内の一部酒屋でも取り扱われる見込み。裏ラベルにはファシリティードッグの説明などが書かれている。問い合わせは同酒造(046・231・1338)。
(岩堀滋)
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